Ken Russell
英国の監督。TV、映画、ドキュメンタリー、音楽番組など多数演出。オペラ演出なども手掛ける。 1927年イギリス生まれ。
A British Picture: An Autobiography
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レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「肉体の悪魔」(1971)です。 この映画は、1634年フランスのルーダンで行われた魔女裁判を映画化したもので、これはルーダンにあった修道院の修道女が悪魔の訪問を受け取り憑かれたと告白し、カトリック教会による調査でグランディエという司祭が魔術の罪で有罪判決を受けて、火刑された事件を映画化したものです。これには裏があり、当時はルイ13世の統治下でしたが、実際権力を握っていたのはリシュリュー枢機卿でありフランス王国の権力強化の為、国内のユグノー派を一掃したかった。ルーダンもユグノー派が掌握しており、そのルーダンの町を取…
つい最近、D・H・ロレンスの書いた原作を読んで感銘を受けたこともあり、自然と映画の方にも興味がわいた。心情描写を主とするあの小説の世界観をフィルム上で表現するのはかなりハードルが高く、どうせ男女の肉体的な交わりだけをクローズアップした官能ドラマに決まっている、と頭の片隅では思いつつも、主人公のコニーや森番メラーズがどう演じられているのかが気になった いくつかの映画版のなかから、今回はケン・ラッセル演出によるヴァージョンを選択した。借りたあとに知ったが、BBC製作のTV用ミニシリーズを再編集して日本のみで劇場公開されたものらしい 小説の映像化に当たっては、出来るだけ原作を忠実に再現する、あるいは…
きっと観るべきタイミングというものがあるのだろう。なんとなく知った気になっていたケン・ラッセル『白蛇伝説』を観てこんなに胸が熱くなるとは…。 それは直前にこの小説を読んでいたことが少なからず関係していると思うので、まずはコチラから。 死神の棋譜 作者:奥泉光 発売日: 2020/09/25 メディア: Kindle版 弓矢に結びつけられた詰将棋の図式を、対局控室でプロ棋士らが囲んでいる場に居合わせた元奨励会員のライター・北沢は、その、詰みがない「不詰めの図式」を一目見て蒼白になった天谷から、図式に纏わる因縁と将棋を信奉する宗教・棋道会について話を聞く。その後、天谷は音信不通となり、図式を持ち込…
1990年製作のオムニバス作品。all cinemaの記載によるとテレビムービーだった模様・・この頃こういう企画はやったのだろうか・・ウディ・アレンやスコセッシの「ニューヨーク・ストーリー」(1989年)とかも思い出す。第一話 ブルックスブラザーズのシャツを着た男 監督フレデリック・ラファエル エリザベス・マクガバンが左派新聞記者。「ラグタイム」*1のかわいらしい時分からは少し年がいった、80年代の香りのするキャリア・ウーマン風。物語全体が80年代風味。第二話 花火の前のたそがれ 監督 ケン・ラッセル ジゴロとの艶笑小話風。第三話 白い象のような山々 監督 トニー・リチャードソン わたしにはこ…
ユリ・ゲラーの子供のころのエピソードのところは、ケン・ラッセルっぽい凝った映像あり。ケン・ラッセルが歌舞伎の舞台を手掛けたら面白かっただろうなあと思ったりする。青年になったユリ・ゲラーのエピソードは、青春もの風。今までみてきた「惑星」*1や「アルタード・ステイツ」*2なども思い浮かび、科学とか宇宙とかケン・ラッセル好きだったなあ、ケン・ラッセルらしい映画ではあるなあ。。また映像を貼った学校のシーンなど何か上から押し付けるものへの反撥というのもケン・ラッセル作品の特徴だなと感じる。これをみたひとつのきっかけはテレンス・スタンプ。ユリのことを調査する科学者の役をまじめに演じている。超能力者 ユリ・…
またしても*1、もうひとつな邦題。原題は「Prisoners of Honor」。1890年代フランスに起きたドレフュス事件を通して組織をただ守ることと、その組織を愛して真の組織人としての誇りを持って生きることの違いを描いたもの。ケン・ラッセルにしては、けれん味が少ないようにも思ったけれど、このような自分の信じるものに奉じる生き方、そのための反骨精神を描きたいのが本来のケン・ラッセルの映画の趣旨であり、気持ちであり、けれん味はそれを表現するひとつの形でしかないのかもしれないなと思う。 とはいえ、その時の民衆の気持ちを表現するために使われているレビューのシーンの凝り様はケン・ラッセルらしい楽しさ…
★★☆☆☆ あらすじ 戦争から戻った父親が殺されるのを目撃した少年は、ショックで心を閉ざしてしまう。ザ・フーのロック・オペラ・アルバム「トミー」を映像化したミュージカル映画。 感想 ロックオペラという事で、全編歌のみで普通のセリフはなし。それで正直つらかった。ただ、音楽自体は良く、物語を理解しようとするのではなく、音楽と映像を楽しむつもりで見るのならありなのかもしれない。 どうでもいい事なのだが、ビンポールのチャンピオンというのは、そんなに人気が出て儲かるものなのか。自分の感覚的にはヨーヨーチャンピオンみたいなものなのだが。一部では熱狂的な人気があるが、スーパースターのような存在にはなれなさそ…
D.H.ローレンスの原作を昔読んだことがあるのだけど、こんな話だったかな?恋愛がテーマなんだけど、すごい個性のぶつかりあい。自分はここで安住していいのか・・という疑問は、ケン・ラッセルのテーマかな?対象にぶつかっていく姉妹のたたずまい、少しとりすましたところのあるライバルの様子など映像的にも楽しませてくれる。音楽もとてもよかった。妹の彫刻家グドルーンに扮したグレンダ・ジャクソンの知的な表情&激しいふるまいに目が釘付けだったけれど、以前よく拝見していた「シネマでUK・Irelandを感じよう」の彼女の紹介ページによると、モンティ・パイソンでよく揶揄されているとか・・確認したい!恋する女たち [V…
ウィリアム・ワーズワースとサミュエル・テイラー・コールリッジという二人の英国詩人をケン・ラッセルが描いたもの。前者はワーズワースの霊感に大きな影響を与えた妹ドロシーとの関係、後者はコールリッジのことなんだけど、前者では微妙な立場のワーズワースの妻にもちょっと光があててあるし、後者では、コールリッジもその時代の世間からみたら・・という部分も描かれていておもしろい。wikipediaでみた二人の肖像と、映画の二人が酷似していて驚いた。舞台となった英国湖水地方はとても美しく、ナショナルトラストの話に出てくるのはこういう場所だったのかと納得。
ケン・ラッセルがBBCのTVディレクター時代に作った作品。フレデリック・デリアスという音楽家の音楽に惹かれた青年オルガン奏者が、デリアスの病気で中断している楽曲の完成の手伝いをしにいくという内容。(フェンビーというオルガン奏者の書いた実話)ケン・ラッセルの伝記もの、好きなのだけど、おもしろくて極端な表現とともに、事を成し遂げた人を支える人をすごく丁寧に描くところが共通してあると思う。(今すぐに思い出すのはマーラーの妻、「アルタード・ステイツ」*1の妻など) *1:http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20090415/1239769578