カント先生の散歩 池内紀 著 表紙 カント先生の散歩池内紀 著潮出版社 発行2013年6月20日 初版発行以前、池内さんの「消えた国 追われた人々 東プロシアの旅」という紀行文を楽しく読ませていただきました。その東プロシアから一歩も出なかった哲学者カント。自分は名前だけは知っていても、思想は全く知りません。それでも彼の半生をユニークなエピソードを織り込みながら、平易な文章で描いたこの本も興味深く拝読することが出来ました。大学での争いや老いの描写は、池内さんの経験も反映されているのかと思うと、読んで切なくなる箇所もありました。 私のカント先生の紹介1724年4月22日、革具職人の息子として、東プ…