3.0ジャンプスケアにはタイミングがある。ホラーを何本も見れば、だれでもそのタイミングを、だいたい予測できるものだ。 たとえば主人公が鏡に向かって歯を磨いている。とする。 口をゆすいで吐き出すとき、前屈みに伏せるが、そのときは鏡には、なにも映らない。よける、ふせる、振り向く、などの動きで「それ」が見えるのが常套手段だが、それらはフェイントでもある。 鏡は戸棚になっていて開閉できる。鏡を開け常備薬を取り出し、閉める。そのとき「ドン」と映る。あるいは、その前にもう一度フェイントが挟まれる──かもしれない。 近年のホラーはこのジャンプスケアのタイミングを予測できないように回りくどくしてある。フェイン…