小林信彦『決定版・世界の喜劇人』が出版された。 もともと香港映画のホイ兄弟から入ったコメディ好きではあったけど、いわゆるクラシック喜劇に目覚めたのは、中学生の時に実家の書庫で発見した『世界の映画作家26 バスター・キートンと喜劇の黄金時代』がきっかけだ。そこからどうやって新潮文庫版の『世界の喜劇人』を発見したのかはよく思い出せない。とはいえ、隣町の本屋で購入したそれが、小林信彦およびマルクス兄弟とのファースト・コンタクトだった。つまり私はスクリーンやテレビ放送ではなく、「文献資料」から喜劇人を認識した世代なんですね。 しかし幸運なことに、時代はレンタルビデオ全盛期。ど田舎でも『我輩はカモである…