最近の世の中ときたら、右を向いても左を向いても、やれ「タイパ」だの「コスパ」だの、果ては「スマートに生きる」だのといった、味も素気もない言葉ばかりが跋扈(ばっこ)している。挙句の果てに、誰もが四角くて薄っぺらいスマートフォンの画面という「魔の窓」を一日中凝視し、そこに流れてくる真偽不明のゴシップや、見ず知らずの他人が垂れ流す毒舌に一喜一憂しているのだから、まったく言葉もない。 私も年寄りだから、若い人が「ネットは便利だ」と喜んでいるのを否定するつもりは毛頭ない。しかしだ、時折その「魔の窓」を覗いてみると、あまりのくだらなさに目眩(めまい)がして、思わず老眼鏡を放り出したくなるのだ。そこに広がっ…