以前、小池昌代の『屋上への誘惑』(光文社文庫)について書いたときに、以下の文章を引用した。 junjacques.hateblo.jp さて、そのようにして書いている途中で、普段見えなかったものを発見したような気持ちになることがある。発見というからには、もともと事物に内在していなければならないが、あったかどうかは、本当のところわからない。しかし書くことによって、私とそのものの関係が変化したということははっきり言える。書くことは、事物に新しい価値を付与し、新しい関係を結ぶことである。ものを見、書くことによって、逆にものから照らされた自分を発見するということである。 ものとの関係を推し進めていくと…