いやな夢を見て目覚めた朝は、胃のあたりが重苦しい。 先日テレビで「なんで女は夢の話をしたがるんかな?」と芸人が喋っていたが、今の時代、男も女もないだろうが、男であれ女であれ、いやな夢のあとは寝覚めが悪い。もう一度眠ったら、楽しい夢を見て「夢の上書き」ができるだろうか、などと考えながら、しばらく布団の中でじっとしていた。 夢の中で、現実ではいつもぐずぐずと弱音を吐く娘だけが私の傍らにいて、哀しみを共有していた。 普段あまり連絡をよこさない自立した娘と、目に入れてもいたくないほど可愛がって育てた末娘は消えてしまって、残っている娘の子どもも消えてしまった。私たちの魂は(おそらく魂だったに違いない)、…