我が城は三畳なりき 狭にして褸なり 狭なれど宇宙を想うに足り 褸にして美神は舞い来たれり 20 年前に家を建てたとき、とにかく家族第一に知恵を巡らせました。部屋数、台所の配置、階段の位置、収納。資金はぜんぶ私持ちで、家そのものは家人の望むままに。ただ一つ、三畳の書斎を加えるのが条件でした。贅沢な、と思われるかもしれませんが、多分に発達障害のケがある私にはこうしたパーソナル・スペースが絶対に必要だったのです。おかげさまでそれなりに心穏やかな日々を送ることができました。狭いがゆえに手の届く範囲にすべての物があります。私の人生や思考、来し方行く末を知りたければこの部屋にある物を精査すれば済んでしまい…