乙女ののりちゃんと共有した時間は、 とても楽しく、有意義なものだったが、 ひとつだけ、気にかかっていることがあった。 それは、リサの航空券と滞在費を、 のりちゃんが負担して彼女を日本へ招く、 と聞いた時に感じた違和感だった。 僕が何を感じようと、そんなこと、 のりちゃんにとっては大きなお世話であり、 彼女には彼女なりの考えがあって、 そうしているのは重々承知なので、これはあくまで、 彼女の行動の正しさについて云々したいのではなく、 あくまでも、 僕の中で起きた赦すべき思いについて書いている。 というのも12年前、 アンフィニと決別することになったのりちゃんに、 「あやこさんが座っていたあの白い…