世界の終わりの物語作者:パトリシア ハイスミス扶桑社Amazon パトリシア・ハイスミスが1987年、最後に発表した短編集。でも彼女としてはこのあと、「トム・リプリー」シリーズの最終作『死者と踊るリプリー(Ripley Under Water)』(1991)と、最後の長篇『スモールg(ジー)の夜』(1994)を上梓し、1995年に74歳でお亡くなりになられている。 そういう意味での「遺作」の『スモールg(ジー)の夜』は、ハイスミス女史の「世界への期待」を思わせられる穏やかな作品で、LGBTQらの人々との共生を期待するような、極めてポジティヴな作品だったと記憶しているのだけれども、この『世界の終…