サブカル系に通じていると必ずぶつかるものが、「しらけ」の時代である。60〜70年代、政治闘争の敗北により無を特徴とするイデオロギーが若者の中で自然と涵養されてきた。その結果、全体主義的思考を捨て、他者の存在を前提としない個人主義的な文化が生まれ、それがサブカルと言われるようになった。その言葉には彼らの「俺らはみんなみたいに真面目ばっかじゃやっていけないんだぜ」といった、ひねくれた、程度によってはアナーキズムと解することもできるマジョリティへの反発があったのかもしれない。 しかしながら現在のサブカルはどうだろうか。悲しいことに、個人主義的な側面はなく、界隈の中で狭苦しく過ごすしかないものになって…