晒された 二の腕の上 日焼け跡 君と僕との 境界線かな 夏尾芭蕉 こんにちは、僕は今、小学3年生の夏休みの宿題の続きをやっています。これは清算であり、聖戦であり、青春であります。あの日置いてきてしまったものを取り戻さなくてはならないのです。 夏。 これは僕の物語であり、君の物語です。 夏。 それは感情の季節。むせ上がる熱気、巨大な入道雲、蝉の合唱、濃い草の香り、それら全てが……… 人はみな、理想の夏を胸に抱いている。虫取り網を持って田んぼの畦道を駆け抜けた夏、何処までも透明な河に飛び込んだ夏、真っ暗な海辺で花火に魅せられた夏、白いワンピースを着たあの子と海岸通りを歩いた夏、風鈴が揺れる畳の部屋…