フロイト「精神分析入門」を今日読み終えた。新潮文庫上下2冊合計838ページの大著である。ぼくが持っていた新潮文庫は多分大学生の頃購入したもので、活字が小さく見開きページにびっしり埋まっている。おそらく目標に設定しなかったら読み通せなかったと思う。小説ならよっぽどのことがなければ長編でも読み通せるが、学術書(といっても論文ではないが)は最後まで読むこと自体がこれまで難しかった。 精神分析学の創始者フロイトは、たった一人から臨床医として患者(クライアント)を診察することから独自の分析学を打ち立てた紛れもない偉人である。一般聴衆や医学研究者を前にした講演録という体裁を取っていることから、弁護士並みの…