(The Lost King, 2022) 二人の子どもをもつフィリッパ(サリー・ホーキンズ)は持病の筋痛性脳脊髄炎のために仕事が休みがちでなかなかうまくいかず、元夫(スティーヴ・クーガン*1)との関係も微妙で、人生に行き詰まりを感じていた。あるとき、彼女はシェイクスピアの史劇『リチャード三世』を観覧し、生まれ持った障害(脊柱側湾症)のために人格が捻じ曲がって無慈悲な殺人者となりはてたリチャード三世のキャラに強い違和感を覚える。彼は曲解されているのではないか、と直感したフィリッパは、リチャード三世を擁護する愛好家団体や歴史の専門家、行政、そして彼女自身の家族を巻き込みながら、墓所が所在不明とな…