うすい黄金色のスープに、たまご縮れ麺、その上に、木耳、メンマ、そして 3枚の自家製チャーシュー。これで1杯550円だ。 ロン毛の城崎が、愛器のNikonで、その被写体を斜め上方向からとらえ、シャッターを切っていく。 このラーメン店『白龍亭』のもう一つの目玉は、店の入り口外で、木製の蒸器の中にホクホクと蒸されている“豚まん”だ。大人の手の平ほどあるその豚まんは、中身も、豚肉をはじめ、シイタケ、タケノコと、具がびっしりとつまっている。こちらは、一個150円だ。 城崎は、写真を撮り終えると、ノートパソコンで画像を確認した。 「おー、ケン、伸びないうちに先に食べなよ」 城崎がパソコンを見ながら桐原にそ…