1つの金融機関や証券会社の決済不履行が、他の金融機関や証券会社の流動性リスクを顕在化させて決済不履行を引き起こし、その決済不履行がさらに他の金融機関や証券会社の決済不履行の原因となるといったように、決済不履行がドミノ倒しのように波及、連鎖してしまうことがある。
このような、1参加者の決済不履行が他の参加者に波及し、決済システム全体あるいは金融システム全体を麻痺させるようなリスクのこと。
例えば、金融機関Aが資金を調達できなくなったため、金融機関Bとの取引決済代金100億円を支払えず、取引決済が不履行となる。次に、金融機関Bは金融機関Aから支払われる予定の100億円を、金融機関Cへの支払いに充てる予定であったが、取引決済が不履行となったため、金融機関Cへの支払いが行えなくなり、取引決済が不履行となる。これが他の金融機関も巻き込んで、延々と続いていくことを「システミック・リスクの顕在化」という。