『(新版)史的システムとしての資本主義』 I.ウォーラーステイン著, 川北 稔訳, 岩波書店, 1997 本書は、I.ウォーラーステインの壮大な歴史理論である、「世界システム論」の骨子をかみ砕いて紹介したものとされている。だが、「世界システム論」自体を理解することはなかなか難しい。 本書は、「資本主義とは、歴史的な社会システムである」という文章ではじまる。 資本主義という言葉は、資本に由来したものであり、資本主義にとって、資本がキーとなる構成要素になっている。史的システムとしての資本主義と呼んでいる歴史的社会システムの特徴は、資本が投資されるということである。つまり、資本は自己増殖を第一の目的…