Simone Veil フランスの政治家。 1927年7月13日、生まれ。2017年6月30日、死去。
Simone Weil (1909-43)
フランスの哲学者、教師。
政治家で保健相、欧州議会議長などをつとめたSimone Veil (1927-) は別人。
彼女について多くの書物があまれているが、うまく語られることのない哲学者のひとりである。スペイン内戦、フランスレジスタンス運動、ハンストの末、34歳で逝去。
日本では「重力と恩寵」がもっとも有名。
ヴェイユ予想などで知られる数学者アンドレ・ヴェイユの妹でもある。
弱る日々がつづく中で、今は詩歌を作ることもなかなかできずにいる。 ただnoteに近作を投稿してはいて、歌友も読んでくれているようで、先日お見舞いのメッセージをわざわざくださった。 note.com note.com note.com 歌友から届いたメッセージの中に、かつて私がシェアした、戦時下のウクライナで俳句をつくりつづけている女性に私自身を重ねていただき、もったいなくもありがたいと感じたのだった。 www3.nhk.or.jp さまざまな難治性のメンタルの病気を患っている私は、先週末にパニック障害の再燃を引き起こした。 激しい胸痛と呼吸困難があったため、内科を受診して検査を受けた結果異常は…
<フランスで最も愛された政治家>のお話ですが・・・ ちょっとその前に 「若いもんが昔語りをしねえのは、単に今が忙しくて振り返る暇がないからさ」 「先があるうちは、逃げきれそうに思えるからな。 背中を向けて走って逃げりゃいい ワシのように、生い先が短くなると、 自ずと逃げ場にこと欠くことになる 先がねえからこそ昔を振り返るんだ」 と、ある時代小説で、 年配の男性が言いました。 「生い先が短くなると、逃げ場に事欠く・・・」という件(くだり)。 そう 私は来年70歳。 どうあがいても、これまでの時間より、これからの時間の方が短いのです。 これまでが約70年、平均寿命を考えてもあと20年弱です。 これ…
みなさん、おはこんにちは。 まだまだ暑い日々が続きそうですね。いかがお過ごしですか。 たしか、けっこう前だったか、日本のジェンダーギャップ指数が発表がされおり、 度肝を抜かれた。 (出典:Global Gender Gap Report 2023 p.11) 日本は、上からより下から数えたほうが早い、125位だった。 日本のどこを切り取っても、まだまだ男性が多いような気がする。 そして、日本の政界を切り取れば、女性をあからさまにさげすむような発言を テレビの前で堂々と発言する姿が、散見される。 その度に、日本のイメージダウンにつながり、こちらが恥ずかしい思いになる。 そんな、男性社会の厚き壁を…
毎日毎日、暑くて嫌になってくる。早く夏が終わってほしいよな、こん畜生!8月下旬でちょっとはマシになったか…いや、でもまだまだだ。 熱中症アラートが北海道で初めて出たとか。 www.fnn.jp 猛暑で生クリームが固まらなくて、秋田県でさえ主力商品のケーキが作れないとか。 b.hatena.ne.jp 猛暑でタイヤがパンクするとか。 【注意】猛暑でタイヤ破裂も 危険性4台に1台猛暑が続くこの夏、急増しているのが破裂やパンクなどタイヤのトラブルだ。トラブルの大きな原因となるのは、空気圧の不足。このような事故を防ぐには、空気圧などタイヤの「日常点検」の重要らしい。#4台に1台 #タイヤ破裂pic.t…
昨日は新宿武蔵野館でフランス映画『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』(オリヴィエ・ダアン監督、2022年作品)を鑑賞した。フランス保健大臣、欧州議会議長などを歴任したシモーヌ・ヴェイユ(1927年~2017年)の生涯を描き、昨年フランスで大ヒットした作品だ。 政治家、シモーヌ・ヴェイユの生涯を丹念に描いている 映画は、最晩年のシモーヌ・ヴェイユが回想録を綴っているシーンを核に、第二次世界大戦前の幸福な家族生活、アウシュヴィッツとビルケナウの強制収容所、姉の事故死、司法省の官吏としての活動、政治家としての活動をランダムに配列している。 長命だったシモーヌを演じているのは、子役とレベッカ・マ…
前回、藤井風の唄とサイババの思想の共通点を探った。 gyakutorajiro.com「Lonely Rhapsody」は、孤独は幻想であり、自分自身を愛することの重要性を。「青春病」や「何なんw」は、外の世界にある欲望の対象への執着からの解放を。「Grace」は、欲望に囚われた私自身を切り離して、内なる私に出会おうとする意志がある。そしてそれらの特徴はサイババの思想や言葉と共通していることを示した。補足すれば、人類愛や平等主義のような思想だ。 ところで、この聖なる紐は、地方によってはバラモン(僧侶)階級の者だけが受けることができるとされている。その場合、ガヤトリ―・マントラは彼らのみのための…
読んだ本 引用元:版元ドットコム つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ ピカソ「私の芸術は破壊の歴史である」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 講義は芸術にシフトした。 芸術は個人的に関心の高い分野であるので集中して読むことができた。 芸術の章、530ページまで読み終える。 ・・・ 芸術はニヒリズムのなかで唯一人間が輝ける場所であると読んでいて感じた。 もちろん、多くの識者は現代芸術が資本主義においてはただの商品と成り果て…
フロランス・ド・リュシー『シモーヌ・ヴェイユ』のつづきをよむ。 nainaiteiyan.hatenablog.com ヴェイユは明らかに数学者の兄に影響を受けている。 彼女の本は神秘主義に傾いているようにみえるが、本書を読むとヴェイユは数学と植物学をかなり勉強していたことが分かる。 『重力と恩寵』は、太陽から降り注ぐエネルギーを植物が受け止め、クロロフィルが光合成を行うイメージで書かれていることがわかった。 ヴェイユは「恩寵のクロロフィル的力」という表現を使っている。 科学的な知見を基盤に思想を構築することにつとめた。 それにしても、クロロフィルという物質には神秘的なものを感じる。 太陽光を…
フロランス・ド・リュシー『シモーヌ・ヴェイユ』白水社文庫クセジュ (2022年) を読む。 1909年から1943年の間を生きたフランスの哲学者の解説書となっている。 ヴェイユはマルクスの構築した体系を「天才的な思想」と評した。 唯物論が正しいのであれば、それは世界のあらゆるものを説明する。 しかし、超自然的な、神秘的なものを考慮に入れないならば、と加えた。 ヴェイユは、マルクスが解明した抑圧は革命では除去できないと踏んだ。 こうも述べる。 社会的秩序は必要ではあるが、いかなるものも本質的には悪である、と。 ヴェイユは人間には物質を超える、超越したものを持っていると信じていた。 おそらくプラト…
想うところに3 シモーヌ・ヴェイユ 人には想像する自由がありますが、信仰の本質は、想像ではありません。また、事実でもありません。信仰は、悲しみを知る心に生まれ、いちばん酷い孤独からの解放を与えます。確定は出来ないが、否定できない真実として受け取って、信仰者が生まれます。ゆえに、神秘と呼ばれます。 人が想い描く人物像は、人格も含めて想い描いた像ですから、その人ではありません。常にその人の偶像を相手にしているようなものです。想うところに人はいないのです。しかし、人は、想い描かれた人の偶像の間違いを、完全ではないが、ある程度、態度や言動で知ることが出来ます。 人間関係は誤解で成り立っているところがあ…
3月、わりとあっちこっちに行ったりライヴしたりで、まあまあやることがあった。先月よりは少し減の10冊。 1.シモーヌ・ヴェイユ 田辺保訳『工場日記』筑摩書房(ちくま学芸文庫) www.chikumashobo.co.jp 生前はほぼ無名なまま、終戦を目前にして34歳で去った哲学者シモーヌ・ヴェイユ。かつて『重力と恩寵』にトライするも、その難しさと長大さに圧倒されて未だ読み切れないでいる。『工場日記』を先に読み始め、先に読み終わる結果となった。 哲学教師の仕事を休職し、未熟練工として各地の工場で働いた8か月間のルポルタージュである。マルクス主義を熱心に研究し、後には理論的な批判も展開したヴェイユ…
ハイデガーの退屈についてざっくりとした私の理解では、退屈とは意味がない・価値がない・目的がない状態のことだ。 となれば、いま私は退屈である。この私的思索の結論を先に述べるなら、何もすることがなくて不快というよりも、何かしたくても疲れていて、私にとって意味あることがなにもできていない感覚があって不快である。だから、こんなにも働きたくないと感じている。前回のブログで、私はどうしてこんなにも働きたくないのかについて、自分なりの一定の状態に対する理解を得たのだが、その一方で根本的な理由には辿り着けていなかった。そこは自分に対してもはぐらかしていた*1。 そこでもうちょっと私は考えた。働きたくないという…
3月はわりとやることが多かったがその割にいろいろ聴けたと思う(1度や2度ほど長めの電車移動をしたのでそのときにかなり聴いた)。以前から楽しみにしていた作品も多く嬉しい月だった。 ●Records Daniel – Real Estate ・Real Estateの6枚目のフルアルバム。衒いのないギターロック・サウンドとキャッチーなメロディで、日常のどんな場面にもナチュラルに馴染んでいくようなサウンドスケープが素晴らしい。 もちろん、#4「Flowers」のコーラス部分のヴォーカルに寄り添うようなリードギターのフレーズや、#6「Freeze Brain」のリズミカルなベースパターンなど、よく聴く…
Ms. Magazine, GLOBAL HEALTH JUSTICE & LAW, March 27, 2024, by SHOSHANNA EHRLICH、LAURA FRADER As U.S. Faces a Rising Tide of Abortion Bans and Restrictions, France Enshrines Freedom of Access in the Constitution - Ms. Magazine仮訳します。 米国とフランスは、女性にとって全く異なる環境を提供しているが、両国は強力なフェミニズムの伝統を共有している。両国の妊娠中絶の軌跡はどう説…
ほんとにありがたいことに文芸のイベントをさせていただけることになりました。 昨年末に上梓された『不幸と共存 魂的文芸批評 対抗言論叢書4』の著者、川口好美さんと2017年に『ひとりごとの翁』(思潮社)を出されてからさまざまな活動をされている詩人の田中さとみさんのお二人にシモーヌ・ヴェイユと中原中也、そして自作の詩を朗読していただき、それら詩にまつわるお話をしたいただく会です。そうしたパフォーマンスによって「不幸と共存」という意味が浮き上がってきたらという目論見です。 なんと当日は贅沢なことに、東京での田中さとみさんの詩のイベントでいっしょに活動されているDJ.Yudetaroさんが音楽を鳴らし…
奥憲介『「新しい時代」の文学論』(NHKブックス)を読む。副題が「夏目漱石、大江健三郎、そして3.11へ」。 第1章で夏目漱石の『こころ』を取り上げ、全体の半分に当たる第2章で大江健三郎が取り上げられる。3分の1に当たる第3章は「「新しい時代」の文学に向けて――3・11のその後」をどう生きるか」と題されて、川上弘美『神様2011』、多和田葉子『献灯使』、村田沙耶香『コンビニ人間』が取り上げられる。 大江健三郎論が秀逸だった。時代を追って大江の作品が読み解かれ、大江の葛藤や再生が語られる。 性的人間、政治的人間に関して 政治的人間とはつねに他者を必要とし、その他者性と対峙するがゆえに政治的であり…
晴。 精神の回転と流動性を妨げるストッパーを潰していくこと。ここでも基本から。 この数日、寒いな。いったんひどく暖かくなってからのせいもあるかも知れない。 NML で音楽を聴く。■モーツァルトの弦楽五重奏曲第四番 K.516 で、演奏はクイケン四重奏団、ヴァイオリンは寺神戸亮(NML)。クイケンQ のモーツァルトはよいな。こんなによいモーツァルトはまことに稀である。モーツァルト:弦楽五重奏曲第3番&第4番アーティスト:クイケン四重奏団,寺神戸亮日本コロムビアAmazon 昼。 ■シェーンベルクの弦楽四重奏曲第四番 op.37 で、演奏はプラジャーク・クヮルテット(NML、CD)。シェーンベルク…
The Conversation, Published: March 13, 2024 2.57pm GMT Abortion rights are featuring in this year’s European election campaign in a way we’ve not seen before仮訳します。 中絶の権利を憲法に明記するというフランスで最近下された画期的な決定は、1975年にフランスで初めて中絶を合法化した法律を保護するものである。この法律(いわゆるヴェール法)は、フランスで最も称賛され尊敬を集める政治家の一人であり、女性の権利運動の象徴であったシモーヌ・ヴェイ…
清水茂『詩とミスティック』(小沢書店 1996年) 今年に入って、清水茂を、『詩と呼ばれる希望』、『遠いひびき』、『翳のなかの仄明り』と読んできた続きで取り上げてみました。小沢書店らしい瀟洒な造りの本です。内容は、大きく、詩とミスティックをめぐってと、戦時における文学者の態度についての二つに分けられると思います。 詩とミスティックについては、詩とミスティックの両者に共通するものを見ているわけですが、キーワードとして、夢、象徴、不可視なるもの、純粋詩、キリスト教があり、また、具体的事例として、ドイツ・ロマン派、シモーヌ・ヴェイユ、ボヌフォワ、ロマン・ロランが取り上げられていました。いくつかの論点…
パリ・トロカデロ広場で中絶の自由を明記する憲法改正の議会中継を見るために集まった人々(4日) 【パリ=北松円香】仏議会は4日、女性の人工妊娠中絶の自由を明記する憲法改正案を可決した。フランスでは今でも中絶は合法だが、憲法への明記で確実に女性の権利を保護する。米国の一部州での中絶制限を受けてフランスの与野党の議員が憲法改正を求め、マクロン大統領も2023年3月に改正方針を表明していた。 パリ近郊のベルサイユ宮殿で開かれた上院と国民議会(下院)の合同会議で、憲法に中絶を「女性に保障された自由」だとする一文を追加する改正案が賛成780票、反対72票で可決した。改正に必要な5分の3以上の賛成票を大幅に…
毎週日曜日は、この一週間(2/26~3/3)に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。 今週の書評本 *表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上のもの) ◆サンデー毎日「遠回りの読書」: 3/10 号 2 冊ビル・エヴァンス 孤高のジャズ・ピアニスト 河出書房新社編 河出書房新社 2,420なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた 養老孟司 中央公論新社 1,540 ③ ◆女性自身「今週の本」: 3/12 号 4 冊風に立つ 柚木裕子 中央公論新社 …
2005年5月から2024年の現在に至るまで横浜でつづいている勉強会「土曜の午後のABC」の最初期の芸術全般を扱った講義をまとめて一冊にしたもの。上下二段組で本篇全437ページとボリュームは相当なものだが、内容的には平易な言葉でそれぞれの芸術家の基本姿勢とそれに向き合う鑑賞者がとるべき基本姿勢について諄々と語っているため、それほど重くはない。どちらかと言えばマイナーな対象について愛しむように語っているような雰囲気があり、読み手は自分が特に感応したものに関して自分で接してみようと思うようになりやすい。今はスマホですぐに調べながら読むことが可能なので、知らない作家の作品にすぐに接触できるのが心地よ…
人体は酸素65.0%、炭素18.0%、水素10.0%、窒素3.0%、カルシウム1.5%、リン1.0%、少量元素0.9%、微量元素0.6%、その他枝葉末節な諸々で構成されているそうだ。 人間の元素組成は海に似ているらしい。では、私は海なのだろうか。 「あなたは海ですか?」と聞かれたら、「私は海ではありません」と答える。 なぜだろうか。私は、「私は海ではない」という明確な根拠を持ち合わせていない、にも関わらず「海ではない」と確固たる自信にもとづき答える。私と海を客観的に比較し、「いや流石にどう見ても海ではないだろ」と言えるからだろうか。では、なぜ「どう見ても海ではない」と言えるのだろう。 私と私以…
親ガチャの哲学(戸谷洋志 著)を一気に読んだ www.shinchosha.co.jp 特に後半が重みが増してとてもよかった。第5章からが本当によかった。リズムが出てきているような気持ちで読み進めた。あっという間だった。 自分の中で大事な言葉として、シモーヌ・ヴェイユの「あなたはどのように苦しいのですか?」というのがあるけれど、特に後半、この言葉が小さくつねにこだましていた。その中で、ヴェイユも出てきていたけれど、ハイデガー、スピノザ、ロールズ、ローディー、アーレント、最後にはカント、と、この半年くらいずっといろいろな本を読んでいくとぶち当たる概念、概念の提唱者がまた浮かび上がってきて、別のつ…