「シャイロックの子供たち」池井戸潤 <感想> ある町の銀行の支店の人間模様。 一人一人には人生がある。平凡な人生なんて存在せず、みんな違う。 そして銀行と言う狭い世界の中で、あたかもそこが世界の全てかのように振る舞う。 普通とはなにか、理想とは何かを考えさせられる。 特に印象的なのは家族との関わり。 家の外では狭い世界で虚勢を張りながら、家の中では父親として家族であろうとする。 後悔するならそんな愚かなことをしなければいいのに。 会社と言う狭い檻の中だけが世界ではないが、出ることができなければその空間が全て。 しかし、ちょっとそこにいそうな人を、一人一人描写するのが上手いなあ。 シャイロックの…