穴の町 作者:ショーン プレスコット 早川書房 Amazon ★★★ とある町にやってきた「ぼく」は、スーパーマーケットで働きつつ、「ニューサウスウェールズ中西部の消えゆく町々」という本を書いてた。その過程で様々な人たちと話をする。どうやら「ぼく」が滞在する町には存在理由がなかった。それは他の消えゆく町々と同じ特徴でもある。やがて町のあちこちに穴が空き、町は消滅の一途をたどるのだった。 ある種の町のなかにいるとき、そこ以外の世界は消えている。ならばそこ以外の世界にとっても、ある種の町は消えたままになっていると考えなくては理屈に合わない。つまりそこは、想像上の場所か、ゴーストタウンか、すかすかの…