あの日々を私は一生忘れない。シンガポールに入国するまえの心細い気持ち。そして入国してからのホテルの1室に2週間缶詰した、あのサバイバルゲームを。 シンガポールに入国して、ホテル隔離の間に、外部と唯一接触できる手段、それが差し入れ。 旦那はもちろんのこと、友人達からの差し入れで心温まり、大げさではなく何度も涙した。 そう、隔離中は軽く精神状態が不安定になる。 隔離がやっと終了し、晴れてシンガポールの地をどうどうと歩けるようになったけど、私はそれからシンガポールに入国する知り合いのことを、異様なほど気にする人になった。 隔離中にうけた優しさを、今度は自分が返したい。あのドラマ風に言うならば、「恩返…