先日、懐かしいアルバムをCDのデジタルリマスター盤で買いなおした。中学生の頃、ネスカフェのCMで流れていたその曲は印象的だった。歌謡曲全盛の時代。テレビから流れてくるのは日本の流行歌ばかりだったので、僕は、その短いながらも心引かれるメロディーと英語で歌う女性ボーカルから、日常とは少し違う新しい音楽の香りを嗅ぎ取っていた。 ロバータ・フラックの「やさしく歌って/ Killing Me Softly With His Song」。この曲の入った1973年リリースのLPレコード 『Killing Me Softly』 の購入が、大学時代の僕の洋楽志向のスタートだった。それまでも話題の洋楽アルバムはリ…