《内容》 「昨年の九月以降わたしは、ある男性を待つこと──彼が電話をかけてくるのを、そして家へ訪ねてくるのを待つこと以外何ひとつしなくなった」離婚後独身でパリに暮らす女性教師が、妻子ある若い東欧の外交官と不倫の関係に。彼だけのことを思い、逢えばどこでも熱く抱擁する。その情熱はロマンチシズムからはほど遠い、激しく単純で肉体的なものだった。自分自身の体験を赤裸々に語り、大反響を呼んだ、衝撃の問題作。 恋にのめり込んで、相手の男を待つ以外何もしなくなった、というと、IQ3みたいなバリバリの主観的ラブロマンスを予想しがちだが、アニーエルノーはそんな自分を徹底的に分析し分解し提示する。 失われていく物語…