阪神電気鉄道の各駅停車用電車の総称。
阪神の路線の特徴として、平均駅間距離が1.1kmと、路面電車並みに短いことが挙げられる。
急行列車が主要駅に停車する一方で、各駅停車はこれらの駅にこまめに停車し、阪神間を結んでいた。そのため、急行停車駅毎に、各駅停車は急行列車に追い抜かれ、急行列車との所要時間差は非常に大きなものとなっていた。
戦後の復興とともに、利用客が急激に増大していたが、所要時間差が大きいことは、急行列車に利用客が集中することを意味しており、混雑緩和・分散を図る上では、好ましいものではなかった。
そこで、昭和20年代後半、各駅に停車しながら、極力、急行列車と平行ダイヤで走ることを目標として、高加速・高減速性能を持つ、新たな各駅停車用の電車を開発することになった。
このようなコンセプトで開発された各駅停車用の高性能車は、加速度4.5km/h/s・減速度5.0km/h/sの性能を有し、当時、世界最高の加減速性能を実現した。その加減速性能をジェット機の離着陸のそれになぞらえて、「ジェットカー」という愛称が付けられ、以後、阪神普通車の愛称として定着した。