篠崎澪『努力夢元』(ベースボール・マガジン社、2023.5) 二人の姉がミニバスのクラブに所属していた。次姉が試合で大喝采を受けるのを観て三女は、私もやると云い出した。小学一年生だった。 負けず嫌い、禁欲的努力家、練習熱心、筋トレの鬼女……富士通レッドウェーブでもアカツキ・ジャパン(ナショナルチーム)でも、篠崎澪さんは引退のその日まで後輩たちの手本と尊敬された。その名選手による二十数年の回想録だ。まさに走り続け駆け抜けた青春の記録である。 小学生のミニバス倶楽部だ。初めはお愉しみスポーツ・健康スポーツである。だが多くのチームメイトのなかで技術競争するうちに欲も出てくる。強いチームがある中学に進…