ジャンヌ=ダルクの百年戦争〔新訂版〕 表紙 ジャンヌ=ダルクの百年戦争〔新訂版〕 堀越孝一 著 清水書院 発行 2017年4月30日 初版第一刷発行 はじめに 18世紀の啓蒙主義は、ジャンヌの事績を迷信と反理性の表現と解説し、 19世紀のロマンティシズムは、民族の感情的基盤、女性的なるもの等々の言葉づかいのうちにジャンヌを称揚した。 実証主義者は、かれらの実証の背後に、国家主義の偏見と党派根性が重苦しくよどんでいるという事態に、無邪気にも気付かなかった。あるいは臆面なくこれを無視した。 彼らは、結局、ジャンヌをたねに、彼ら自身を語ってきたのである。 Ⅰ 噂の娘 イメージのジャンヌ この時期のフ…