今週のお題「夏の足元」 トケイ浜(古宇利島) 今立っている自分の足元を見つめるような本に出会った。 ロマン・ロラン著「ジャン・クリストフ」(みすず書房)である。片山敏彦の翻訳が秀逸で素晴らしい。 ノーベル文学賞を受賞した、あまりにも有名な本だが、今まで手に取る機会はなかった。かなりの長編であり、まだ読了していないが、世界認識や人間社会への示唆に富み、もっと人生の早い時期に読みたかったものだと思う。 当時の幼い精神では、この書物の教えを理解することはできなかったかもしれないが。 主人公クリストフはベートーヴェンをモデルにしていると言われている。ドイツのライン川沿いの小都市に生まれたクリストフが音…