ジャン・ポール・サルトルは自署「シチュアシオン」で「選挙は見え透いた罠」であると述べています。選挙が民主主義の象徴である一方で、政治家が選挙を利用して自分たちの利益を追求する一面を持つと謂う意味だと思いますが、シチュアシオンXの出来から略50年を経てて、選挙の持つ意味は如何変わったのでしょうか。 仏蘭西の哲学者ベニィ・レヴィはサルトルとの対談「いまこそ、希望を」で以下のように述べています。 こうは言えないかな。普通選挙の経験はすでに古く、それをとおしてわれわれは、熱い部門から冷たい部門にいたる道程をすべて踏破したのだ、と。たしかに、投票は熱い時点から始まった。いまでは冷たくなっている。だがあえ…