Jean Renoir フランスの映画監督。 1894年9月15日、印象派の画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの次男として誕生。 ヌーヴェル・ヴァーグに大きな影響を与えた。 1979年2月12日、死去。
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ジャン・ルノワール(Jean Renoir)による1936年作『ランジュ氏の犯罪(Le crime de Monsieur Lange)』について。 出版業界の大物バタラは詐欺のような方法で人々から金を巻き上げている。バタラはフリッツ・ラングにとってのドクトル・マブゼのような、悪を象徴する存在となっている。同時に、バタラは魅力的な存在としても描かれていて、人々から女性をも奪っていく。そして、自分に惚れた女性を自身の利益のための道具として利用する。 舞台はアパートであり、そこにはランジュの務める出版社があり、ヴァレンティーナが洗濯業を営んでいる。殆どのシーンがアパート内部であり、基本的に空間が狭…
ジャン・ルノワール(Jean Renoir)による1945年作『南部の人(The Southerner)』について。 精神性を抜かれたフロンティアスピリット 「こいつら嫌いだわー!」って思いながら嫌々撮ってる感が映像から溢れ出してるように感じたけど、どうなんだろう。映画全体が嫌味というか、表面的なメッセージとは真逆のことを言おうとしているように見える。映像、プロット共に表面だけ空虚になぞったフォード映画って感じ。精神性を抜かれたカウボーイ、フロンティアスピリット。 生き生きと撮られる動物達に対して、オブジェのように静的に撮られる俳優達。そのセリフも作り物のように棒読み。物語の展開も強引で、いく…
ジャン・ルノワール(Jean Renoir)による1946年作『浜辺の女(The Woman on the Beach)』について。 イメージと現実の狭間で 元海軍である主人公は魚雷で船を破壊される夢を見続けている。翻訳では省略されていたが、海沿いの町の警備隊員である主人公は自身のことをビーチカウボーイと自虐する。主人公は馬に乗り、その町の砂浜に打ち上げられた小さな難破船の元へと通い続けている。主人公は船を破壊され浜辺に打ち上げられてしまった海のカウボーイとして設定される。海軍にいた時の主人公にとっての馬は船であり、難破船は主人公と共に浜辺に打ち上げられたもののように見える。しかし、その夢が主…
昨年秋に観た映画「SING」*1に元女優のナナなる大金持ちの老嬢が出てきて名前だけの知識である「女優ナナ」を知りたくなった。手っ取り早いところで映画にて鑑賞。 観たのは、ジャン・ルノワール監督版(1926)とクリスチャン=ジャック監督版(1955)。 www.allcinema.net ルノワール版、2時間越えのバージョンについても検索したら出てくるのだが、私が観た東北新社から出ていたビデオは101分。ナナになったのが当時の妻カトリーヌ・エスラン(へスリング)。監督の父のオーギュスト・ルノワールの裸婦のモデルにもなっている人物とか。 ルノワール監督の映画をそんなに観ているわけではないが、物事を…
シネマヴェーラで「ヌーベルヴァーグ前夜」と題して、ルノワール、オフェルス、ベッケル、グレミヨン等、ヌーベルヴァーグが愛した映画作家の特集が開催される (2022年12月24日~2023年1月27日)。その上映作品の中から、今回はジャン・ルノワール監督の『南部の人』(1945)をとりあげたい。 IMDb 第二次世界大戦中にドイツがフランスに侵攻したため、フランスを離れてハリウッドに渡ったジャン・ルノワールは、アメリカで数本の映画を撮った。その中でもジョージ・セッション・ペリーの原作をルノワールが脚本、監督した『南部の人』はアメリカ時代の代表作として知られている。ベネチア国際映画祭(1946)では…
草の上の昼食 HDマスター 《スペシャル・プライス》 DVD ポール・ムリッス Amazon オリーブの木陰より良いところが他にあるのか。 優秀な子孫を残すには人工授精が一番。それ以外の性欲は悪だと言う博士。 なぜか人望厚く、初代欧州合衆国大統領最有力候補。 ピクニックの美しい風景のはずが突然のヤギ飼いの笛吹でどんちゃん騒ぎ。 最後までよく分からない映画でした。コレとコレの間のようなテンション。多分私、ルノワール監督苦手なんだと思う。
Fair use, Link 暴力衝動に駆られる男と美しい人妻との悲劇。ジャン・ギャバン主演のサスペンス。 今朝の1日1映画は『獣人』(1938年 フランス)を鑑賞。先天的な精神疾患を持つ鉄道機関士ジャック(ジャン・ギャバン)は、恋人を故郷にしながら病のために結婚は諦めていた。 そんなある日、上司(フェルナン・ルドー)とその妻セヴリーヌ(シモーヌ・シモン)が、富豪の義父を殺したことを知ってしまうものの、セヴリーヌの美しさに魅了され沈黙を守る。 彼女はジャックに接近して「自分は夫に殺される」と相談しつつ誘惑し…。 フランス自然主義文学の大家エミール・ゾラの同名小説をジャン・ルノワール監督が映画化…
Fair use, Link ゴーリキーの戯曲を映画化。富める者と持たざる者の人生を描いた名作 今朝の1日1映画は『どん底』(1936年 フランス)を鑑賞。 どん底であえぐ泥棒ペペル(ジャン・ギャバン)と、最後の賭博に負けて無一文になり、貴族社会から墜ちた男爵(ルイ・ジューヴェ)が親しくなり…。 ソ連の作家ゴーリキーの戯曲を映画化。 帝政末期のロシア社会を1930年代のフランスに置き換え、木賃宿を舞台にどん底から這い上がろうとするペペルと男爵の生き方を対比的に描いたジャン・ルノワール監督による名作です。 私の祖父がジャン・ギャバンに似ていると言われていたと聞いて、どんな俳優さんだったのか見てみ…
Affiche du film La Règle du jeu - Photo 1 sur 2 - AlloCiné 貴族って…。名匠ジャン・ルノワール監督による社会風刺劇。 今朝の1日1映画は『ゲームの規則』(1939年 フランス)を鑑賞。 主人公クリスチーヌは貴族ロベールの妻。 大西洋を23時間で横断した飛行家アンドレはその愛人だった。 一方で、ロベールにも別れようとしていた愛人があった。 彼らの催すパーティに大勢の名士たちが集まる。 もちろん、アンドレもその一人。 だが、やはり同じ階級のド・サン・トーバンと夫人が親しくしているのを見て、彼は猛烈な嫉妬に駆られる……。 貴族&中上流社会の人…
ルノワールがちゃんとアメリカ映画をやっているじゃないか! パーティーのシーンなんか実にアメリカ調でよろしくやっている。というか脚本がそうなんだろうな。農業と水ってのはルノワールに撮らせて正解だね、彼こそ自然、大地と水なんだから。 しかしいくら水のルノワールとは言えども牛を救出しようと洪水で濁流した川に流される二人の男ってのもなんだかヘンテコでおかしく面白い。そこがまた実にルノワールらしいというかね。 ルノワールに限らず、たいていの映画では(最近観た溝口の『ふるさとの歌』然り)川に飛び込む時ってのはどうして服を脱がないんだろうと。小学校の時に着衣水泳の授業を受けたもんだからシャツとズボンくらいは…
●概要 ●海外勢952名 ●他俳優 ・「日本勢のリスト」へ ●概要 映画監督、脚本家、プロデューサー、俳優、その他スタッフといった映画人が影響を受けた・好きな映画。 「国別」、未個別化「一覧」、それ以外「その他作家」、「映画評論家のベスト」 ※2022年12月21日追記:文字数制限のため「日本勢」リンク集独立
・「①」へ●「新・三つ数えろ」 ●「フレデリック・ワイズマンの足跡 Part.3」 ●「古典映画超講義」●「カメラの前で演じること」 ●「レオス・カラックス 映画を彷徨うひと」 ●「ユリイカ」2020年10月号●〃2022年12月 ●「carteblanche-movie」2009年 ●「kinejun.com」●「Letterboxd」 ●「京都ヒストリカ国際映画祭」2022年 ●「LaCinetek」 「よみがえるブルース」より ・「①」へ ●「DVD&動画配信でーた 2021年12月号」の「新・三つ数えろ」より スカーレット・ストリート(緋色の街) フリッツ・ラング…ジャン・ルノワー…
また会おう。リチャードは裏口から外に出ると、雨のせいですべる道を慎重に歩いていった。大気は冷えていた。アリスは体の前で腕を交差し、両肘を手で抱えるようにして、戸口のところに佇んでいた。女たちは何世紀もこの姿勢をして案じてきたのだ。 (イーディス・パールマン/古尾美登里・訳『蜜のように甘く』より「蜜のように甘く」) 8時15分起床。きのうは寝るまえにマスクを装着してベッドにもぐりこんだ。おかげで入眠は容易であったが、起き抜けはやっぱり熱っぽい。鼻水も出るし、のどにも違和感があるし、なにより全身だるい。朝食はトーストとインスタントコーヒー。 10時から一年生2班の日語会話(一)。第14課&第15課…
写真はアンナ・マニャーニ・アーカイブより 4)結婚、そして出産... アンナは1935年に結婚します。お相手は映画監督のゴッフレード・アレッサンドリーニ( (1904 – 1978)。出会いは少し前、アンナがアントニオ・ガンドゥシオ劇団で活躍しているころとのことだが、その後アレッサンドリーニはアンナにグレダ・ガルボの吹き替えを頼んだというのですが、ほんとうにそうだったのか、ただの口実だったのかわかりません。実際に吹き替えはしていなかったところを見れば口実なのですが、1930年代はトーキーの時代、吹き替えでの外国映画の上映もさかんに行われるようになっていたことを考えれば、実にもっともらしい口実で…
サッシャ・ギトリ『ある正直者の人生』。ギトリの出番は前口上とモノローグ、ギトリ夫人のラナ・マルコーニは1シーンだけ。主演のミシェル・シモンはギトリからこのように頼まれる。「節約のために一人二役を引き受けてくれないか」ミシェル・シモンは二つ返事で引き受ける。ギトリの頼みは誰も断らない(ラナ・マルコーニも街娼の役を頼まれ、快く承諾する)。ギトリの映画には確かに節約精神があるだろうが、それでもここまで豊かな映画はギトリ以外なかなかない。ギトリにおける一人二役は父子であったりコスチュームプレイであったり世代を跨ぐ印象を受けるが、本作のミシェル・シモンが一人二役で演じる兄弟の会話は、入口と出口の切り返し…
〈2020年5月19日 の記事〉 フランスの個性派俳優 18日の報道で、フランス往年の名優ミシェル・ピコリさんが、5月12日に脳卒中で亡くなっていたことが伝えられた。享年94歳。元妻は歌手のジュリエッタ・グレコ。独特な見た目で人間くさい男を演じ、その個性が長らくフランスの映画界で重宝された俳優だった。 ピコリさんは1925年12月27日、パリ生まれ。父親はヴァイオリスト、母親はピアニストで女優という芸術一家に育った。ピコリさん自身も早くから演劇を志し、高校時代にはもう自分で劇団を組織していたそうだ。第二次大戦後はパリの大学で演劇を専攻、演技を学ぶ。その後テアトロ・バビロンに所属して舞台に立つと…
〈2021年7月27日の記事〉 『ヘッドライト』の名女優 『フレンチカンカン』『ヘッドライト』などのフランス映画で知られた女優、フランソワーズ・アルヌールさんが7月の20日に死去したと伝えられた。声明を発表した家族によれば、長年闘病生活を送っていたという。享年90歳。 アルヌールさんは1931年6月3日、当時フランス領だったアルジェリアのコンスタンティーヌに生まれた。父は仏駐留軍砲兵隊司令官、母は元舞台女優だった。 父の赴任地で少女時代を過ごし、第二次世界大戦が終わった45年に帰国。パリの高校を卒業後、女優を志してボーエル・テロン夫人の演劇研究所で学ぶ。
呪われた問題作 マイケル・チミノと言えば、ベトナム戦争帰還兵士を扱った『ディア・ハンター』でアカデミー作品賞に輝いた監督だが、彼のキャリアは次作の失敗でほとんど終わってしまう。 それは呪われた問題作と言われた『天国の門』が物議を醸し、彼を敬遠したハリウッドの映画界から干されてしまったからである。 『天国の門』はアメリカ西部開拓時代に起きた“ジョンソ郡戦争”を題材にした作品で、当初は1100万ドルの予算で制作される予定だった。 しかしこだわりの強い完全主義者チミノは撮影にあたり、どんどん要求をエスカレートしてゆく。最終的に制作費は4400万ドルまで膨れ上がってしまったが、完成した映画は大不評で世…
〈2022年3月31日の記事〉 映画界の革命児 今回の『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』は【大島 渚 ”最前線” の戦い】。松竹ヌーベルバーグの旗手として映画界に登場。以降、革命児として衝撃の問題作を次々に世へ送り出し、世界にも名を知られた大島渚監督。 安保闘争をテーマとした『日本の夜と霧』(60年)で物議を醸し松竹を退社。性のタブーに挑戦した『愛のコリーダ』(76年)では「猥褻か芸術か」の大論争を巻き起こす。 そして83年のカンヌ国際映画祭に出品された『戦場のメリークリスマス』では、戦場での敵同士の男と男の愛情を描き、パルムドールの大本命と目された。 そんな大島監督の ”最前線” に生き…
全3項目 ●代表作 ●デニス・シェファー&ラリー・サルヴァートの編「マスターズ・オブ・ライト 完全版」より12本 ●「Michael Chapman - 'Raging Bull': Preparing to shoot in black and white (45/94)」より3本 「栄光の都(アナトール・リトヴァク)」より 全3項目 ●代表作 撮影「タクシードライバー」、 「レイジング・ブル」、 「ラスト・ワルツ」、 「逃亡者(アンドリュー・デイヴィス)」、 「真実の行方」、 「SF ボディ・スナッチャー(フィリップ・カウフマン)」、 MV〃「バッド(マイケル・ジャクソン)…
DVDでジャン・ルノワール「ゲームの規則」(1939年)を観る。そうなんだな、この時点で映画はここまで出来上がっている。というかこれ以降は大きな変革もなく、これまでのフォーマットを使いまわしているだけとも言えなくもないよなと思う。 全体の印象として「エドワード・ヤンの恋愛時代」を彷彿させる。また望遠鏡で真相を知ってしまうとか、他人の外套のせいで誤認されたりとか、ああ…これぞ映画の仕組みだと思う。 上流階級の人々の生活というものがあり、パーティーのために皆が集まる別荘のような場所がある。各客室があって廊下があり、そこを様々な人々が行き交い、通り過ぎ、あらわれては消える。彼らは狩猟に出掛け、兎を撃…
www.youtube.com 濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』について、これは村上春樹の原作とまったく別物だ、アダプテーションとも言いがたいという声が聞かれた。その一方で、それでいて妙に村上(の文体)っぽいとも言われた。作品そのものについては、もはや語り尽くされている。ここでは、そもそもなぜ濱口竜介は、この村上作品の映画化を試みたのか、そこに何がみえるかに絞って考えたい。 結論から述べれば、それは「演技」をめぐる問題ではなかったか。まずは、村上春樹の原作における「演技」とはいかなるものかを見ておこう。 主人公の「家福」は、自分の妻と寝ている「自分より六つか七つ年下」の男と、あえて「…
全3項目 ●代表作 ●2022-2023「Sight and Sound The Greatest Films of All Time All voters」より16本 ●「Sight&Sound」の「映画監督・評論家が選ぶオールタイム・ベスト 2012(The Greatest Films of All Time 2012 / All voters)」より10本 「青い青い海」より 全3項目 ●代表作 代表作:共同制作「ノー・マンズ・ランド(ニチヤ・ゼンヤ)」ダニス・タノヴィッチ、 「トロピカル・マラディ」、 「太陽(アレクサンドル・ソクーロフ)」等 ダニス・タノヴィッチ、アピチャッポ…
・「⑨」へ ・6項目 ●「letterboxd.com」 ・〃上記補足インタビュー ●「TCM」Guest Programmer ●〃「Picks September 2023」 ●「In the Screening Room」 ●「Newsweek」 「女相続人」より ・「⑨」へ ●「letterboxd.com」の「Companion Films, a list of films by Martin Scorsese」より59本 ※▼...「①」~「⑨」にも掲載。 ※スコセッシが自作と影響を受けた映画を組み合わせたリスト。 コンパニオン(Companion。親密な関係 等)、インスピレーシ…
「1000本計画」から恋愛&犯罪もの ・「コメディ&恋愛」 ・他「恋愛映画」 めまい アルフレッド・ヒッチコック SFめいたスリラー、ミステリー、元刑事、ノワール的雰囲気、悪夢・幻想 ◆主なフォロワー エ・ライト、クリストファー・ノーラン、 ポール・バーホーヴェン、デミアン・チャゼル ポン・ジュノ、片渕須直 ジェームズ・ガン、・マイヤーズ ジュリアン・ジャロルド、サム・メンデス、 道 フェデリコ・フェリーニ ロードムービー、夫婦、サーカス ◆ レニー・エイブラハムソン、ジェイク・ギレンホール マイク・ニューウェル、アスガー・ファルハディ、 川村元気、山田洋次 ジュリアン・ジャロルド、アキ・…