Jean-Paul Belmondo フランスの映画俳優。 1933年4月9日、生まれ。 父は彫刻家のポール・ベルモンド。 1957年、映画「歩いて馬で自動車で」に出演。 ジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』(1959年)でヌーヴェル・ヴァーグを代表するスターとなり、ジャン=ピエール・メルヴィルの『いぬ』(1963年)などに出演。
ふたりの女(1960)(字幕版) ソフィア・ローレン Amazon ★★★ 第二次世界大戦中のローマ。シングルマザーのチェジーラ(ソフィア・ローレン)が娘ロゼッタ(エレオノーラ・ブラウン)と故郷に疎開する。そこにはインテリ風の青年ミケーレ(ジャン=ポール・ベルモンド)がいた。故郷の村はドイツ軍に占領されていたが、敗色は濃厚で近くまで連合軍が迫っている。ミケーレは敗残のドイツ兵に道案内するよう強制されるが……。 原作はアルベルト・モラヴィアの同名小説【Amazon】。 歴史は勝者によって書かれたものが正史になるが、その裏には敗者による歴史も存在しており、本作はそこをすくい上げている。第二次世界大…
女は女である アンナ・カリーナ Amazon ★★★ パリ。書店員のエミール(ジャン=クロード・ブリアリ)はストリッパーのアンジェラ(アンナ・カリーナ)と同棲していた。そのアンジェラが唐突に赤ちゃんが欲しいと言い出す。エミールはその申し出を拒否する。アンジェラは他の男に頼むことに。その相手はエミールの友人アルフレード(ジャン=ポール・ベルモンド)だった。 映像や音楽で小技を効かせていて面白かった。今見ると洒落臭いが、その洒落臭いところがゴダールの美点である。 映像で面白かったところ。セリフごとにカットを割る際、カットごとに人物の位置関係を大胆に変えている。屋内で男女2人が話すシーンだ。このカッ…
ジャック・ドレー監督、ジャン=ポール・ベルモンド、アラン・ドロン、カトリーヌ・ルーヴェル(ローラ)、ミシェル・ブーケ、アーノルド・フォア(マレロ)、フランソワーズ・クリストファ(エスカルゲル夫人)、コリンヌ・マルシャン(リナルディ夫人)、クリスチャン・ティリティレ(ダンサー)、アンドレ・ボレ(ポリ)、ニコール・カルファン(ジネット)、ローラ・アダニ(ロックの母)ほか出演の『ボルサリーノ』。1970年作品。 原作はウジェーヌ・サッコマーノ著「Bandits à Marseille」。 www.youtube.com www.youtube.com 1930年代のマルセイユ。3カ月の刑期を終えて出…
いぬ(字幕版) ジャン=ポール・ベルモンド Amazon 寡黙に事象だけがまず起こるフレンチ・ノワールでいきなり出てくる固有名詞も誰のことかわからず最初何がなんだかさっぱりわからない。 ただ冒頭、原題「デュロス」とは帽子のことであり、デュロスをかぶるとは警察のいぬを指すという説明が出てきて、「レザボア・ドッグス」風のいぬ探しかと思いながらスタート。 冒頭からベルモント扮するシリアンの悪い噂がチラホラささやかれ、ベルモントに注目することするのだが終盤最終的な説明をきくまでこちらは翻弄されっぱなし。種明かしをきいてからも疑り深い自分は疑心暗鬼の気持ちで最終局面を迎えてしまうがラストでようやっとそう…
周りのことなどお構いなくスマホの画面を一心不乱に見つめる人々の目には、道端に咲く花の可憐さも夜空に浮かぶ月の輝きも映るはずはなく、いずれは「情緒」という言葉も死語になる日が来るのではないか。最近はふと、そんなことを考える 本作はまさにその「情緒」で彩られたような作品だ。デュラスの書いた原作は未読のため単純に比較は出来ないが、他者との共同で彼女が脚本を担っているので全体の雰囲気は(小説に)近いと想像される フランス南西部、海沿いの街。製鉄所経営者の夫とアンヌの関係は冷え切っており、息子ピエールだけが彼女の希望だった。ある日、ピエールが通うピアノ教室そばのカフェで痴情絡みの殺人事件が起こり、犯行直…
いぬ(字幕版) ジャン=ポール・ベルモンド Amazon ★★★ 刑務所から出所したモーリス(セルジュ・レジアニ)は妻を殺した男ジルベール(ルネ・ルフェーヴル)を殺害、ジルベールが強盗して手に入れた宝石類を持ち出して空き地に埋めた。親友のシリアン(ジャン=ポール・ベルモンド)はかねてから密告者という噂があったが、モーリスは彼に仕事の協力をしてもらう。ところが、モーリスは警官隊に包囲された。モーリスはシリアンを疑う。 複雑な脚本でびっくりした。密告者を巡って捻った展開が見られる。ちょっとしたサプライズがあるというか。しかも、それでいてフィルム・ノワールらしいB級感も漂っている(車を運転するシーン…
警部(字幕版) ジャン=ポール・ベルモンド Amazon ★★★ 南フランス。当地では汚職警官とギャングが結託して悪事を働いていた。ある警部の死体が上がってきたため、パリからスタン・ボロウィッツ警部(ジャン=ポール・ベルモンド)が招聘される。彼は非合法的な手段で事件を捜査する凄腕だった。ホロヴィッツはセルティという偽名を使ってギャングに接近する。 ジャン=ポール・ベルモンドのアイドル映画。黒い革ジャンを着て(場面によっては茶色いのも着ている)、白いスポーツカーに乗り、でかい拳銃を見せびらかす。ベルモンドは当年46歳。脂が乗り切っている。そんな彼が現実ではあり得ないような破天荒な刑事を演じていて…
カトマンズの男(字幕版) ジャン=ポール・ベルモンド Amazon ★★★ 親の遺産で大金持ちになったアルチュール・ランプルール(ジャン=ポール・ベルモンド)は人生に退屈して自殺未遂を繰り返していた。婚約者たちと香港にやってきたアルチュールは株の暴落で破産を宣告される。相変わらず死にたがってるアルチュールに対し、中国人の友人ゴオ(ヴァレリー・インキジノフ)は生命保険への加入を提案。受取人を婚約者とゴオ本人に指定させる。ゴオは殺し屋を手配した。ところが、アルチュールは金髪美女のアレクサンドリーヌ(ウルスラ・アンドレス)と出会って生きる気力が湧いてくる。アルチュールは殺し屋から逃げつつ契約の取り消…
オー!(字幕版) ジャン=ポール・ベルモンド Amazon ★★★ 5年前。カーレーサーだったフランソワ・オラン(ジャン=ポール・ベルモンド)は事故を起こしてライセンスを剥奪された。現在はギャングの運転手をしている。彼はそこで「オー」と呼ばれており、銀行強盗をしつつモデルのベネディット(ジョアンナ・シムカス)と交際していた。ある日、銀行を襲撃しようとした際にボスが拳銃の暴発で死んでしまう。フランソワは彼の後釜を狙うが……。 犯罪映画。マスコミによって作られた名声がいかに空虚であるかを示したのが良かった。新聞と結託して有名になったフランソワは最後、カメラマンの絶え間ないフラッシュに晒されて終わる…
リオの男(字幕版) ジャン=ポール・ベルモンド Amazon ★★★★ 航空兵アドリアン(ジャン=ポール・ベルモンド)が休暇でパリに帰ってくる。パリには婚約者のアニェス(フランソワーズ・ドルレアック)がいた。同じ頃、博物館でアマゾンの土像が盗まれる。その土像が原因でアニェスが誘拐された。急いで追いかけるアドリアン。2人は飛行機でブラジルのリオにたどり着く。 古き良き娯楽映画だった。アクションというよりは活劇といった風情のレトロ感。派手なことはしないものの、地味にすごいことをやっている。 好きなシーンを挙げていく。 アドリアンが階段で敵に挟まれた際、靴磨きの少年(ウビラシ・デ・オリヴェイラ)が機…
全9項目●代表作 ●「ホイチョイ的映画生活〜この一本」 ●「GQ JAPAN」2021年3月号 ●「【A MESSAGE OF HOPE】Vol.126」 ●「mononcle.jp」●「mynavi.jp」 ●「欲望の断片」第75回 ●「谷川俊太郎が聞く、武満徹の素顔」 「仁義の墓場」より 全5項目 ●代表作 TVドラマ監督「ナニワ金融道」シリーズ、 「きらきらひかる(1998年)」〃、 「沙粧妙子-最後の事件-」、 「人間の証明(2004年)」竹野内豊 版、 「ギフト(1997年)」、 映画監督「仕掛人・藤枝梅安(2023年)」〃等 TVドラマ監督、映画監督 等で活躍する河毛俊作が影響を受…
俳句を詠むに意味で読まないこと 児 島 庸 晃 目視して物を受け取る時、その感覚は意味で受け取っているのではなかろうか、と思う時がある。それらは頭で判断していると思われているのだろうか。だが、実際は情感で物を見ているのである。俳句が意味の句の表現になってしまうのは、その意味が頭の中に残ってしまっているからである。俳句は情感の支えがしっかりしていなければ、ただの言葉でしかなくなる。俳句は意味で作ってはならないのである。俳句が説明になってしまう理由でもある。私の二〇代初めの頃、映画の世界にヌーベルバーグ(新しい波)と言う新しい表現の実感直感のフランス映画が、日本の若者の心を捉えていた。その代表的映…
1873年(明治6年)のことである。日本から岩倉具視を代表とする遣欧使節団がパリを訪れる。その子細は久米邦武による『米欧回覧実記』に記されているが,久米がみた凱旋門やパリの姿と我々がみるパリの姿は基本的にはそれほど違いはなさそうである。 「100年ほど前までは,この町の街路は狭苦しく,建物も大小入り混じって,きれいなところと醜い部分が錯綜していた。ところがナポレオン一世が絶大な軍事力によって各国に勝利して奪って来た富を使ってこの市の美観を整えようと考えた。小さな家々を取り壊し,ところによっては大きな建物も取り除いた上,宮殿の前から市城の北の外れまで約5キロにわたる地域を再開発し,白い石を用いた…
〈2021年9月8日の記事〉 フランス映画界を代表する俳優 『勝手にしやがれ』『リオの男』など、戦後のフランス映画界を代表する俳優として活躍したジャン=ポール・ベルモンドさんがパリの自宅で死去。6日に家族から弁護士を通して公表された。 死因など詳細は伝えられていないが、家族によれば最期は静かに息を引き取ったという。享年88歳だった。 ベルモンドさんは1933年4月9日、パリ郊外のヌーイ・シェル・セーヌで芸術家夫婦の間に生まれた。学生時代はスポーツに熱中し、一時はプロボクサーを目指すも父親に反対されて断念。その後演劇に興味を抱き、コンセルヴァトワール(国立高等演劇学校)で演技を学ぶ。 卒業後は舞…
〈2022年6月19日の記事〉 大人の色気を醸し出す演技派 映画『男と女』『Z』『愛、アムール』などで知られるフランスの俳優、ジャン=ルイ・トランティニャンさんが17日に、仏南部ガール県の自宅で死去したことが伝えられた。 決して誰もが認めるというハンサムというわけではなく、日本での人気は今ひとつだったが、大人の色気を醸し出す渋い演技派として、欧州では引っ張りだこの俳優だった。 前立腺がんを患い闘病生活を送っていたが、最期は家族に囲まれながら静かに息を引き取ったという。享年91歳。
〈2022年9月14日の記事〉 仏ヌーベルバーグを代表する監督 フランス・ヌーベルバーグを代表する監督で、『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』などの作品で世界の映画人に大きな影響を与えたジャン=リュック・ゴダールさんが13日、スイス西部の自宅で死去したことが遺族から発表された。 フランス新聞紙の報道では、死因は病気などではなくスイスで認められている尊厳死。関係者によるとゴダールさんは「疲れ切っていた」そうで、“死を選んだ人” が医師処方の薬物を自ら使用する「自殺幇助ほうじょ」によって命を絶ったという。 同志であるフランソワーズ・トリュフォーやクロード・シャブロルといった、ヌーベルバーグ主要監督の…
A : 読む 『気狂いピエロ / ライオネル・ホワイト著』 気狂いピエロ (新潮文庫) 作者:ライオネル・ホワイト 新潮社 Amazon アメリカのミステリー作家ライオネル・オワイト(1905-1985)が、1962年に発表した犯罪小説。 ライオネル・ホワイトは、日本ではほぼ無名にちかいが、海外では有名作家のひとりで、いくつかの作品が映画化されている(有名なところではキューブリックの「現金に 体を張れ」)。 タランティーノも、「レザボア・ドッグス」の元ネタ作家のひとりとしてホワイトをあげている(たしかクレジットされてたような…)。 主人公のコンラッド・マッデンは失業中のシナリオライター。 妻子…
先日、たまたまテレビをつけたら懐かしい映画が放映されていました。『地下室のメロディー』でした。 <初回限定生産>地下室のメロディー Blu-ray ジャン・ギャバン Amazon 監督:アンリ・ヴェルヌイユ 出演:ジャン・ギャバン、アラン・ドロン 製作:1963年 フランス 同年 日本公開 この映画を初めて観たのはおよそ50年以上前になります。洋画を観始めた高校生の頃、当時からフランスではアラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドが人気を二分していました。劇場で初めてアラン・ドロンの映画を観たのは確か1969年の『シシリアン』だと思います。この映画もジャン・ギャバンとの競演で話題になりました。…
www.thecinema.jpフランスの巨匠ジャン=リュック・ゴダールの長編映画デビュー作にして、出世作となった作品。 警官殺しをしてしまった自動車泥棒の常習犯ミシェルと、新聞売りのアメリカ留学生パトリシアとの恋愛関係を、男と女の性格を浮き彫りにしつつ描いています。 そのフランス人らしい着眼点と、ゴダールによる斬新な演出がマッチした内容が高く評価されています。 中でも、ハンディカメラを使った臨場感あふれる映像には注目です。放送情報勝手にしやがれ【字幕】 CS227 ザ・シネマ 2024/2/3(日) 06:00-07:45<過去の放送> 2021/9/16(木) 13:00-14:31 ⇒ …
前回から1週間経ったので、更新。 日がずいぶん長くなってきました。 今は1日に3分ずつ、です。 嬉しい。 今朝の空。8時前には夜明けの気配。 最近のニュースで一番目につくのは、農業従事者による怒りの表明。 www.rtbf.be 何に怒っているかと言えば、こういうこと ↓ 。 Les agriculteurs réclament un revenu décent qui passe par des prix rémunérateurs pour leur production. Ils dénoncent certaines mesures environnementales et la su…
image source@Unsplash photo by Krists Luhaers ただひたすら好きな映画音楽をあげていくだけの記事。1970年代編です。※記事内の映像商品画像および音楽商品に関するテキスト情報(青色テキスト部分)のリンク先は、特に個別の記載がない限り、すべてAmazon内のページになります。 Le Passager de la Pluie『雨の訪問者』1970 1970年公開のフランスのサスペンス映画「雨の訪問者(La Passager de la Pluie)」のテーマ曲。フランスのシンガー、セヴェリーヌが歌いました。フランシス・レイ作曲。 Listen on Yo…
録画していた『薔薇のスタビスキー』(1974年/監督:アラン・レネ)を観る。1930年代にフランス政財界を揺るがした“スタビスキー事件”を映画化。 1930年代初め、スタビスキー(ジャン・ポール・ベルモンド)は生まれながらの野心家で、没落した老男爵ラオール(シャルル・ボワイエ)と敏腕弁護士ポレリ(フランソワ・ペリエ)を従えて、詐欺のような行為で大金を稼いでいました。彼は政財界の大物に賄賂を送って司法の目を逃れ、妻のアルレッテ(アニー・デュプレー)と毎日優雅な生活。しかし、彼を怪しんだポニー検察官(クロード・リッシュ)の調査で、スタビスキーが偽公債を発行していることがわかります。スタビスキーはス…
『レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』がクランクアップしたのは2017年だった。日本では2020年に公開されたが、本国アメリカではいまだに公開されていない。 それは、ローナン・ファローの言いがかり、それも、#metooに絡めた言いがかりだったので、さもウディ・アレンがabuseを働いていたかのような空気になって、『レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』で主役を務めたティモシー・シャラメなどは、この映画のギャラを全額寄付したりした。彼は『DUNE』でアカデミー賞を獲れそでそうせざる得なかったそうだ。 そのころから言いがかりだという意見も多かった。というのは当該の件は、とっくに裁判で結審している。裁…