John le Carré 作家、脚本家、プロデューサー、俳優
ベルン大学とオックスフォード大学を卒業後、イートン校で教鞭を取り、外務英連邦省に転職、MI6に配属となり、主に西ドイツの大使館、領事館にて外交官として勤務する。その傍ら、自身の経験を基に小説を書き始め、1969年に処女作『死者にかかってきた電話』を発表。1963年に発表した第3作『寒い国から帰ってきたスパイ』ではエドガー賞を受賞。以後、リアルで非情な諜報戦を背景としたスパイ小説の数々を発表する事となる。
ウンター・デン・リンデンのロシア大使館やアエロフロートがあるあたりは、旧東ベルリンだったエリア。 亡命者、密告、二重スパイ。 裏切り、駆け引き、はったり。 電報、暗号、偽情報。 壁、検問所、諜報機関、鉄のカーテン、...ベルリンには、冷戦都市としての霧が今もベールのようにかかっていると思う。 わたしはジョン・ル・カレのスパイ小説の大大大ファンなので、このベルリンの霧には強く惹かれる。 華やかな古都を歩く楽しさとは違う。 ベルリンだって華やかではある。しかし、何か秘密がある。 誰かが見て、見られているかもしれない街、誰かが別の名前で生きていたかもしれない街、どこかにまだ秘密が残っているような街。…
本日の朝にテレビ(朝イチ)を見ていましたら、「つらい朝を心地よく迎える」 とありました。この番組は月曜日はじまりでありますので、休み明けの月曜は 辛いという共通認識にのっかっています。 小学校のときには月曜日には学校へと行きたくなかったなというのが、皆の 頭のなかに残っていて、それで通じ合うのでありましょう。最近でありましたら、 仕事をしている人は、独自のカレンダー(シフト表)で動いている人のほうが 多いかもしれませんです。 カレンダーで週の始まりは、ほぼほぼ日曜となっていますが、これが手帳に なりますと月曜始まりのほうが多いかもしれません。手帳を使っていると月曜 が嫌いになることですが、それ…
今回は渋い映画を紹介します。 1965年制作のモノクロ映画。 このブログでモノクロ映画というと、「宇宙人東京に現る」(1956)とか、「大怪獣ガメラ」(1965)とか、「大魔神」(1966)とか特撮モノだったんですが、今回はスパイ映画です! 「007/ドクター・ノオ」(1962/旧邦題「007は殺しの番号」)がヒットすると世の中はスパイブームに。 007シリーズは回を重ねる毎に女にモテモテ、秘密兵器を駆使するスーバースパイになっていきます。 二匹目のドジョウを狙った「電撃フリント」シリーズ(1966-67)や「サイレンサー」シリーズ(1966-68)といった、ゴージャスで余裕綽々のスパイが主人…
先月自民党が「インテリジェンス戦略本部」初会合を開き、国家情報局創設を含む議論を開始した。インテリジェンス機関創設については、自民・維新の連立合意書にも記載があり、本気の政策実現に向けた動き(*1)と考えられる。 共産党機関紙「赤旗」は、わざわざ「インテリジェンス⇒諜報」と翻訳し、「戦争国家」への道だと糾弾している。戦後日本人の意識が、戦争とか諜報とかいう言葉を忌避するように傾いたことを、再び想起させたいようだ。 インテリジェンス活動は大きく分けて、対外中心の諜報と国内中心の防諜の2つ。米国では前者をCIAが、後者をFBIが担当している。英国では前者がMI-6(正式名称はSIS)、後者がMI-…
映画『誰よりも狙われた男』:テロ資金を追う老練スパイの孤独なゲーム 2014年に公開された映画『誰よりも狙われた男』(原題:A Most Wanted Man)は、冷戦後の現代諜報活動の非情な現実を描いたジョン・ル・カレ原作の傑作スリラーです。舞台はドイツの港湾都市ハンブルク。この街は、9.11同時多発テロの計画が練られた場所として知られ、現代におけるテロ対策の最前線となっています。物語は、フィリップ・シーモア・ホフマン演じる老練なドイツ諜報機関のテロ対策チームリーダー、ギュンター・バッハマンを中心に展開します。彼は、密入国した謎のチェチェン人イッサ・カルポフを逮捕するのではなく、彼を餌として…
こんにちは、皆さん!一人ぼっちユウトです。今日は、スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレによる珠玉のエッセイ集『ジョン・ル・カレのスパイ』をご紹介します。静かな緊張、深い内面描写、そして現実と虚構の狭間に揺れるスパイたち——そんなル・カレ作品の魅力が、ぎゅっと詰まった一冊です。 ル・カレ自身が語るスパイの世界『ジョン・ル・カレのスパイ』は、著者が自らのスパイ経験や創作秘話、そしてスパイという存在の本質について語るエッセイ集です。ここにはフィクションではなく、ル・カレという“元スパイ”作家の実体験と視点が生々しく描かれています。 例えば、MI6時代の現場の空気感、東西冷戦下の心理戦、情報操作の緻密な技…
【潜入・裏切り・謀略】スパイ小説おすすめ5選|緊張と知性が交錯する名作たち 静かなやり取りの裏に潜む情報戦、二重スパイの葛藤、世界を裏から操る陰謀――。スパイ・諜報員をテーマにした小説は、読者の知的好奇心とスリルを刺激する魅力が詰まっています。 この記事では、「読後、誰かに語りたくなる」スパイ小説を厳選してご紹介。緊迫のストーリーを味わいながら、あなたも一夜のエージェント体験をしてみませんか? 1. 『寒い国から帰ってきたスパイ』(ジョン・ル・カレ) ▼あらすじ冷戦下のベルリン。情報戦の只中に送り込まれた男が辿る、哀しき諜報の現実。「スパイ小説の金字塔」と呼ばれる不朽の名作。 ▼おすすめポイン…
スパイものを得意とするイギリスの小説家で、晩年の作品に当たる。1930年生まれ、2020年没。 1963年から1977年の間にスマイリー3部作と呼ばれる有名なスパイ小説を書いた。 国家の為の冷徹なスパイの役割と、倫理や感情を持つ生活者との葛藤を描いてきた著者が晩年どの様な境地に達したのだろうか。 あらすじ ケニアのイギリス大使館職員のジャスティンの妻は製薬会社の治験データの過小評価や、アフリカの難民を使っての人体実験を批判し続け、ケニアのトゥルカナ湖で殺害される。腐敗した地元警察も、ケニア政府も、そして2国間の友好を重視し、多くの巨大製薬会社の治験結果の前提を崩しかねない治験批判に同意できない…
レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介するは「シルバービュー荘にて」(2021)です。 激しい雨が降り注ぐロンドン、ウェスト・エンド朝十時。ぶかぶかのアノラックを着た若い女リリーがある家の前で立ちすくみ、ボタンを押した。ドアから現れた男、プロクターに彼女は持ってきた手紙を渡し、立ち去る。彼女はタクシーを呼び止めて、リヴァプール・ストリート駅までと言うのだった… こんな書き出しで始まるスパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレの遺作を読んでみました。その感想を簡単に紹介したいと思います。 まず、不勉強にもこの小説が存在しているとは全く知りませんでした。前作「スパイは今も謀略の地に」(…
アマプラで映画視聴190作品目はアメリカ映画の「われらが背きし者」でした。個人的レーティングは7.5/10です。邦題の「背きし者」という意味がなんか分かりづらいので、原題ググったら「OUR KIND OF TRAITOR」になってました。TRAITOR=裏切り者=背きし者、ですね。このタイトルは映画視聴後に考えてみると味わい深いです。 モロッコでの休暇中、イギリス人の大学教授ペリーとその妻ゲイルは、偶然知り合ったロシア・マフィアのディマから、組織のマネーロンダリング(資金洗浄)の情報が入ったUSB をMI6(イギリス秘密情報部)に渡して欲しいと懇願される。突然の依頼に戸惑う二人だったが、ディマ…