Scanners
クローネンバーグの名を(海外で)知らしめたSFホラーのヒット作。善と悪のスキャナー(超能力者)同士による凄まじい血みどろの闘いを、ディック・スミスの特殊メイクを駆使して描き切っている。血管が浮き上がって出血し、眼球が破裂、頭部が爆発する様が迫力満点。哲学的内容を含みながらも、「普通の」映画ファンも楽しめるSFホラーとなっているのが、この頃のデイヴィッド・クローネンバーグの特徴である。それも『戦慄の絆』以降は薄まり、とっつきにくくなってしまうのだが…。
マイケル・アイアンサイドの悪役像も強烈で、この後の出演作では善人を殆ど演じていない。
尚、序盤にある頭部破裂場面は、『レイダース/失われたアーク』クライマックスでも頭部破壊用ダミーを担当していたクリス・ウェイラスの労作。ゼラチンで作ったダミーをショットガンで吹き飛ばした。後にウェイラスとクローネンバーグは、『ザ・フライ』と『裸のランチ』で組むことになる。