第一次大戦後、イギリスは、後にイラクとして知られるようになる旧オスマントルコ帝国の一部、メソポタミア一帯を完全支配したいと考えていました。一方フランスも、その一部の地域バグダットの北西にあるモスルについて権利を主張していた。こうして、イギリスはフランスと競い合いことになり、アメリカも巻き込むことになるのです。新たな石油の地を巡る争いは企業家や事業家だけのものでなくなったのです。世界大戦を通しての経験は石油が国家戦略にとって重要な要素になり、政治家や官僚がこれまで以上に争いの真っ只中に足を踏み入れることになるのでした。1920年4月アメリカは参加していなかったが、イタリアのサン・レモで締結したサ…