スタンリー・プルシナー

スタンリー・プルシナー

(サイエンス)
すたんりーぷるしなー

スタンリー・プルシナー、M.D.、(カリフォルニア大学サンフランシスコ医学部):人の狂牛病といわれる新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の要因とされるプリオンの発見により1997年にノーベル生理学医学賞を単独受賞した。

スタンリー・プルシナーは研究途上では異端児とされていた。


スタンリー・プルシナーはカリフォルニア大学医学部で神経科の研修医をしていたとき、クロイツフェルト・ヤコブ病(人の狂牛病)で患者を1人亡くした。
それがきっかけで始めた研究が実ったわけだが、彼は1982年に発表した論文でこの病原体を「プリオン(prion)」と名づけた。
これはタンパク質という意味のproteinと、感染性という意味のinfectionという英語を組み合わせたもの。

プルシナーのこの論文は、ヒツジの狂牛病(「スクレイピー」という)の原因病原体を追求していて明らかにされた感染性のタンパク質について書かれたもの。
彼はその論文で、狂牛病は、実はウイルスでも細菌でもない、プリオンという未知の感染性タンパク質によって引き起こされると主張した。

プルシナー博士はかなり強引なところがあって、ノーベル賞を狙う野心にあふれた科学者だった。

共同研究者たちは彼の大胆不敵な強引さにあきれてか、この論文の共著者になることをやめた。
後にプルシナー博士はプリオンの発見により念願のノーベル賞を獲得したが、共同研究者たちもこの論文の共著者になっていれば、名誉をともにすることができたのかもしれない。

しかし強引なプルシナー博士の考えは、生物学の常識に明らかに反するものだったので、共同研究者たちが共著者を降りてしまったのもうなづける。

博士がウイルス研究者たちに自分の考え方をどう思うかと聞いたところ、すべての研究者が「タンパク質が感染して増えるなんてことはあり得ない」といったという。

当時彼は異端の科学者だった。

しかし、彼は実験を10年以上も積み重ね、常識への挑戦をし続けた。
そしてついに彼の仮説が正しいことを誰もが認めた。
彼の発見と常識への飽くなき挑戦がなかったら、どんなことになっていたか……。
考えるだけでも恐ろしい事態に人類は直面していたかもしれない。

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