宝島 (新潮文庫)作者:スティーヴンソン,直次郎, 佐々木,秀夫, 稲沢,Robert Louis Stevenson新潮社Amazon 本の最初のページを開き、読み始めるときのわくわく。それはきっと大人に「なにか、お話して!」とせがみ、いよいよ始まるというあのわくわくと同じだ。「お話」とか「物語」という言葉通り、そこには話し手と聞き手がいる。文庫の解説によれば、スティーブンソン最初の長編小説である『宝島』は、息子と灯台技師だった父親に語って聞かせる物語だった。 ある日「ベンホー提督屋」という宿屋に老水夫がやってきた。横暴で傲慢なくせに、こそこそと人目を避ける老水夫は、宿屋の少年(語り手)に「…