「誠に実に汝等に告ぐ、麦の粒地に落ちて、もし死ざれば唯一つにして止まるも、もし死すれば多くの実を結ぶ」主のこの聖言は誰よりもまず主御自身に適合する。何となれば、主が十字架上で聖血を流し世の罪を贖い給うたればこそその御功徳を蒙って救霊の恵みに浴洗ものと、聖霊降臨の日に受洗した3000人を始め、その後も続々聖教に帰依する者が出たからである。そしてこれら教会初代の信者達は互いに口で兄弟姉妹と呼び合うばかりでなく、実際同心一致、各自自発的に財産を教会に寄付して共同生活を営み、食糧などは必要に応じて使徒達から配給を受け、何物をも共有として信仰に精励した。されば世人は彼等の友愛の麗しさに感じ入り、自分もそ…