今回は、微量ミネラル欠乏症について考えてみたいと思います。これは、2021年6月号の日本医師会雑誌の特集記事より抜粋したものです。 我々臨床医にとって微量ミネラルという言葉自体あまり馴染みがなく、鉄欠乏性貧血やヨード欠乏による甲状腺腫くらいの疾患しか思い浮かびません。筆者も皆さんと一緒に勉強していきたいと思います。 微量ミネラル欠乏症とは? ヒトの体はすべて元素で構成され、地球に存在するほとんどすべての元素がヒトの体内に見出されます。 それらは大きく分けて多量元素と微量元素(微量ミネラル)に分けられます。 微量ミネラルは、ヒトの体の全重量のうちわずか0.02%を占めるにすぎませんが、生体内では…