鑑賞中、1ミリも登場人物の誰にも共感できなかった。 主人公のウィリー・ノーマン(段田康則)は、敏腕セールスマンだった過去の栄光が忘れられない。60歳を過ぎ、彼から品物を買う人もおらず歩合収入の生活は苦しい。それなのに「男はビッグビジネスをしてなんぼ」「ビッグビジネスをした俺はえらい」という考えに固執し、息子たち(ビフ=福士誠治・ハッピー=林遣都)にその考えを押し付ける。保険料とローンの支払いのため、友人(チャーリー=鶴見辰吾)に金を借りるくせに、友人が用意した仕事にはプライドが高くて就こうとしない。家族を心配する妻(リンダ=鈴木保奈美)の助言や言葉を、ややもすれば遮ってばかりいる。「女は黙って…