続編の『激動 日本左翼史 1960-1972』を先に読んだが、厳密に同時代人である評者にとっては知っていることばかりで余り面白くなかった。それに対してこちらは、評者が小中学生の頃で、うっすらと記憶にある程度しか知らないので、結構ためになった。 そもそも佐藤優がこの本を構想したのは、「現在の世界で顕になっている社会の機能不全に対して、人々が左翼的な思想に再び注目し、左翼勢力が台頭する可能性は非常に高いと思っている」(p.17)ので、その日にそなえ、左翼とは何だったのかについて、歴史的に明確にしておかなければならないからだという。 実は最初と最後の章しかちゃんと読んでいないが、とりあえず記憶にとど…