ソレルス

(読書)
それるす

フィリップ・ソレルス Philippe Sollers (1936-)
フランスの作家。ボルドー生まれ。本名フィリップ・ジョワイヨー。1957年にジャン・ケロール監修の新人発掘の為の不定期刊行物「エクリール」三号に短篇『挑戦』を発表、58年の『奇妙な孤独』とともにフランソワ・モーリアック、ルイ・アラゴンなどの熱烈な讃辞を得て華々しいデビューを飾る。その後古典的、伝統的な小説スタイルから前衛に転向、60年、前出ケロールの協力を得て「テル・ケル」誌を創刊、実質的な編集長となり82年の廃刊まで文学的前衛の牙城となった同誌の路線を決定づけた。その活動は60年代には50年代のいわゆる「ヌーヴォー・ロマン」を継承しかつ越えるのを目指し、68年以降の数年間は毛沢東主義を標榜し文化大革命路線を主張、のちには言語学、記号学と精神分析学を武器として新しい文学理論の構築を志向した。その変化に富んだつねに体制を揺さぶることを目指す過激な態度は「知的テロリスト」、「変節漢」などさまざまな毀誉褒貶を生んでいる。61年メディシス賞を受けた『公園』、65年『ドラマ』、68年『数』、など、理論的探究に基づく実験的かつ難解な作品を刊行し、その一方でダンテ、サド、マラルメ、ロートレアモンなどを省察する評論というよりも理論的考察、エッセーといったほうがふさわしい活動も同時に行い、74年から「テル・ケル」に連載し81年単行本にまとめた『楽園』では、改行も句読点も一切ない「爆発の結果生じた破片の記録」と称される大作を刊行しジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』に匹敵する文学的実験と評された。82年、前述した通りそれまでスイユ社から刊行していた「テル・ケル」を廃刊、翌83年、ドノエル社から「ランフィニ」として再創刊(87年にガリマールに移転)、同年伝統的小説技法にたちかえった自伝的色彩の濃い長篇ロマン『女たち』を刊行、ベストセラー作家の仲間入りを果たす。以後現在も体制を揺るがすスキャンダラスで過激な(とされる)創作活動を続けている。

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