「シシリアン・ブルー」 三千年の歴史だって一日に如かない。 朝から夕方までそして夜まで。 人は、一日一日を生きて、 いつかいなくなるのだ。 ただ、青い世界を 後にのこして。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 詩人・故長田弘氏との出会いは、学生時代に遡る。その当時から雑誌クロワッサンで定期的に本特集が組まれており、今は亡き女流作家の森遥子さんが推薦していたのが、氏の散文詩集「深呼吸の必要」であった。あれから長い年月を経て、数えきれない数の本が部屋の本棚を通り過ぎていったが、氏の本はいずれもまだ手元に残っている、恐らくこの先もずっと。詩集のみならず紀行文やエッセイなども数多く出版されているが、ささくれだった心…