世界中が見えないウイルスに日常生活を制限されて混沌としているこの時に、 私の大切な人が、少し遠い病院に入院することになった。 しかも奇しくもその病気を克服するために、まずは自分が数年前に受けた手術と同じ手術をするという。 彼女は、私が術後何か月経っても心身の不調と鬱々が晴れなくて、ついに自分のことが全くできなくなってしまった時に、なんと一緒に心療内科の診察室まで付き添いしてくれた人だ。 それだけでなく、私のことで疲弊していた高齢の母と気晴らしにお茶を飲んで話を聞いてくれたり、同じく術前と人が変わってしまった妻にとまどい疲れて痩せてしまった私の夫に「私が病院へ連れて行ってもいいですか」と説得して…