私は1970年8月、タンザニアを訪れ、首都ダルエスサラームからバスで12時間半、ガタゴト道にゆられて、国境の町ムトワラに着き、降りた所で褐色の青年から声を掛けられた。 「お前は日本人か?」 5~6,000人の中国人が中国本土からやって来て、軍事教育、農業技術指導、タンザン鉄道建設に働いているタンザニアでは「日本人か?」と聞かれることは、まずなかった。たいてい、「中国人か?」と問われるほど、北京との関係は密接だし、中国系の会社も数社進出している。政界人の往来も激しく、新聞にも毎日のように、中国の文字がのっている。そんなところで、まず、「日本人か?」と聞かれたのには驚いた。 日本人と分かると、半そ…