誰もが自分の文脈に沿って暮らし始めていた。大抵の場合、それらはより大きなカテゴリに包含されてしまってはいたものの、大した問題にはならなかった。少なくとも表だって文句を言う者はいなかった。 何かを言わんとする者には言えない理由があったし、言っても無駄だと考える者はその通り黙っていた。日々の暮らしに追われる者には文句をつける余裕がなかったし、気にとめない者はそのまま生き続けた。そのようにして世界は徐々に輝きを失っていった。 *** さて蓄財だ、ということで、ポイ活などしてみている。職業―ポイント獲得活動家、なんつって。ぜんぜん貯まりません。 この調子だと、百円稼ぐのに数ヶ月かかりそうである。道端で…