実姉ガブリエル・フェリエールによる数理哲学者カヴァイエスの評伝『ジャン・カヴァイエス ― 戦中の哲学者 1903-1944』(Gabrielle Ferrières, Jean Cavaillès. Un philosophe dans la guerre 1903-1944 [1950], Paris, Félin, 2003)の要約、今回は第4章の後半である。話は1928年、兵役が終わったところから始まる。 * 第4章 兵役(後半) 最初の邂逅*1 1928年、カヴァイエスは兵役から戻り、社会学者セレスタン・ブーグレ(Célestin Bouglé, 1870-1940)を長とする社会資料…