唐突な話をすると、中世の理論家ヨハンネス・ド・グロケオが1300年頃、「これからは耳に聴こえる音楽のみを音楽とする」という、現代の我々からするといささか奇異に思える宣言をする。えっ?てえことは、それまでは耳に聴こえない音楽も存在したって事かい?うん、実はそうなんだ。 ここからちょいと厄介な話になる。古代ギリシャの音楽思想を中世に伝えた哲学者ポエテゥスが、500年頃の書き記し著書「音楽教程」によると、古代ギリシャ人は音楽を三つに分類したとある。一つ目はムシカ・ムンダーナ、二つ目はムシカ・フマーナ、そして最後にムシカ・インストルメンタル。まずはムシカ・ムンダーナ、これは天体の音楽とでも言えば言いの…