dictation
口述(口述筆記)
ことばを聞いて書き取ること、または聞いて書きとったものということが原義であり、日本語では一般に下の二つをさす。
1.文筆業での原稿作成の方法。
著者が話したことを他者が筆記するやりかた。
2.語学学習の練習法の一つ。
学習対象言語を聞き取り、文字に記す練習法のこと。
情報を音声に限定して第一に聞き取りの力を育成することを目的とし、表記・語彙・文法など音声以外の分野での効果は副次的なものである。
そのため日本語教育の初級段階においては、表音文字であり、長音表記が統一されているカタカナが用いられることが多い。
長音や促音などの特殊音素の認識や、清音・濁音など似た音の識別に特に有効である。
英語のように発音と文字の不一致が多い文字を持つ言語では、音声に限定した練習は成立しえず、必然的に文法・語彙の知識などを含んだ総合練習となる。
日本語教育においても、総合力の、育成もしくは評価のため、敢えてひらがなや漢字を場合もあるが、カタカナによる、音声に限定したディクテーションと、その目的は明白に異なる。
したがってディクテーションを行なう際には、教員と学習者は共にその目的を自覚していたほうがより効果的であり、それが試験(評価)等に用いられる場合は、その正当性(何を試すのか)に注意を払う必要がある。