Dick Smith
特殊メイク・アーティスト。
テレビ界最初の重要な特殊メイクアーティストとも言える。テレビ放送初期、ドラマも全て生放送であったが、スミスはドラマの中で女優を徐々に老けさせるなどの離れ業を披露。やがて映画界へと進出する。
『オズの魔法使』の特殊メイク・テーティストだったジェフ・ドーンが開発したフォームラテックスを、ドーンから大量購入、ドーンが秘密にしていた各材料の調合法やオーブンでの焼き加減などを、1年間の研究の成果として発表して、特殊メイク界を開放的なものとした。
スミスが著した少年向けメイクアップ本は、日用品やどこでも手に入る材料を使ったメイクを紹介したもの。この本に影響を受けたリック・ベイカーがスミスに弟子入りすることになる(後に2人で『エクソシスト』のリーガンの首1回転ダミーを製作)。
代表作は『小さな巨人』のダスティン・ホフマン、『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランド、『エクソシスト』のマックス・フォン・シドー、『ハンガー』のデヴィッド・ボウイ、『アマデウス』のF・マリー・エイブラハムらの老人メイクや、『タクシードライバー』のロバート・デ・ニーロのモヒカン刈りや血しぶきメイクなど。繊細でリアリスティックなメイクを得意とする。
伊丹十三の招きで『スウィートホーム』のメイクを担当したり、代々木アニメーション学院で一時期教鞭を取っていたこともある。