デコトラは“デコレーショントラック”の略で、青島文化教材社の登録商標である。語感が良かった為、一般名詞化された。アートトラックなどとも呼ばれる。カネショウ、椎名急送、丸美船団、標栄運輸、押田運送、亀井商事などが代表例である。
デコトラは、電飾、エアブラシなどによるイラスト、メッキ処理を施されたパーツや多数の行燈で飾り付けられているのが一般的で、内装にも力を入れているのが多い。内装は、主に金華山などを貼り、豪華絢爛なシャンデリアやタッセルを付けたりするのが多い。デコトラには、仕事をし易い様に飾った仕事車輌、イベントに参加する為だけにド派手でずば抜けた飾りで装飾したイベント車がある。又、イベント車の中には、荷台の箱の中を部屋の様に仕上げたキャンピング車もある。
デコトラには、王道系アート(モダンアート)、‘70年代から‘80年代のデコトラをモチーフにしたレトロ系アート、メッキパーツをふんだんに使ったメッキ系アート、仕事最優先に飾った仕事車輌系アート、機動戦士ガンダムを彷彿とさせる様な前衛系姿勢のガンダム系アートがある。
最近のデコトラでは、独特の形状を持ったフロントバンパーを付け話題になった三代目美麗嬢や龍王丸、美奈丸や、ルパン三世などのペイントを入れためぐみ丸などが有名である。
デコトラは水産業及び水産物輸送を携わるオート三輪が、傷んだ荷台の補修に表面をヘアライン加工したステンレス鋼板をリベット留めしたのが始まりで、其れが宮城県石巻市で大流行し、今に至っていると云う説が有名である。
一般に広く知れ渡るようになったのは1975年に公開された東映映画「トラック野郎 御意見無用」で登場したトラックの装飾から。その後「トラック野郎」は10作品のシリーズ物となった。
バンパーや行燈などの装飾で運送車両法に抵触する違法な改造が含まれる場合もあり、会社が使用許可を出さなくなったためか、バブル崩壊後運輸関係の賃金が押さえられ改造費用を捻出するのが難しくなったためかデコトラの台数は減った。
国道やトラックターミナルなどで夜に電飾の輝くデコトラを見るのもなんとなく良いものである。
船や、自家用車、バイクなどの飾りよりも立体的で電飾が多く、迫力あるものが多い。
因みに、走行中に電飾や回転灯は違反であり、又、純正ホーンを外すのは保安基準違反である。警察は余り気にしていないが御注意を(笑)