医薬品
吉富製薬(現・三菱ウェルファーマ→田辺三菱製薬)で開発されたチエノジアゼピン。成分名:エチゾラム。
抗不安作用は強く、ジアゼパムの3〜5倍。鎮静催眠作用や筋弛緩作用などはジアゼパムよりやや強い。ノルアドレナリン再取込阻害による抗うつ作用も認められている。作用時間は6時間程度の短時間型。
神経症に対する有用度はジアゼパムより全般的に優れている。うつ病に対しては、不安・緊張症状に対して有効で、抑うつ症状に対しては抗うつ薬との併用が有効。心身症(高血圧症、胃十二指腸潰瘍)に対する有効性も確認されている。
催眠作用があるために、抗不安剤としての用い方の他、眠剤として就寝前に1〜3mgを使用可能。
副作用の種類と程度はジアゼパムとほぼ同等と評価されている。
目や肩の疲れからくるような頭痛や肩こりなどにも高い改善率を示し、精神科・心療内科だけでなく他の診療科でも汎用的に使用されてきた経緯から「精神安定剤」のカテゴリーでありながら、長らく「向精神薬」には指定されていなかったが、2016年10月になってゾピクロン(アモバンなど)とともに向精神薬に指定され、翌11月から一回あたりの処方量の上限が30日分に制限された。
薬の評価は高く、同一成分で複数の製薬会社がいわゆる「ゾロ品(後発品)」を製造しており、これらはデパスより薬価が安い。
神経症、うつ病の場合、通常、成人にはエチゾラムとして1日3mgを3回に分けて経口投与する。
心身症、頸椎症、腰痛症、筋収縮性頭痛の場合、通常、成人にはエチゾラムとして1日1.5mgを3回に分けて経口投与する。
睡眠障害に用いる場合、通常、成人にはエチゾラムとして1日1〜3mgを就寝前に1回経口投与する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減するが、高齢者には、エチゾラムとして1日1.5mgまでとする。
(2004年 2 月改訂 説明書より抜粋)